今月10日に投開票された参議院選挙の投票率は54.70%と前回に比べてわずかにアップしたものの、まだ選挙への関心を持つ人たちが少ないことを物語った。そんな中、近年、投票率を上げようと「選挙割」と呼ばれるサービスを実施する店が全国で増えている。(水野 恵美子)
「選挙割」とは、投票所の受付でもらった投票証明書や、投票後に携帯で撮影した投票所の看板の写真などを店に提示すると商品や食事を割引してもらえるサービスだ。 今回、東京都内で選挙割を実施している2つの店を訪れた。
中野区本町の「麺屋どうげんぼうず」では、投票証明書を提示すると味玉のトッピングをサービスしてもらえる。投票率を上げようと店主の近廣直也(ちかひろ・なおや)さんが3年ほど前から始め、国政選挙だけでなく統一地方選、区議会議員選挙など選挙シーズンには毎回サービスを実施。
みんなに選挙が行われる事を周知する意味も含めて行っていると言う。今回、選挙割を利用したお客さんは全体の5 ~ 10%。投票日当日は閉店前まで多くの利用者でにぎわっていた。
世田谷区の下北沢駅近く、30 年以上の歴史を持つレコードショップ「フラッシュ・ディスク・ランチ」では、投票証明書を提示するとレコードや雑誌などが20%引きになる。
始めたのは店主の椿正雄(つばき・まさお)さん。この店でも「選挙割」はだいぶ前から行われ、選挙期間中はサービスを利用しようと、常連客だけでなく遠くから訪れるお客さんも多い。中には県をまたいで神奈川県平塚市から足を運ぶ方も。
店で行っている他の割引セールと重なるときはさらに商品が安くなるため、店側として利益は望めない。それでも選挙を盛り上げようと選挙割を続けていきたいという。 「大事なのは自分の意思を行動で示していくことでは?選挙に行くことが”格好いい“と思う人が増えると嬉しいですね」と店主の椿さんは語る。
紹介した2つの店は、今月31日投票の東京都知事選の期間も「選挙割」を実施する予定。 参院選の割引も下記の期間まで受け付けている。
1 軒目:麺屋どうげんぼうず
(参議院選挙の選挙割は7/18まで)
2 件目:フラッシュ・ディスク・ランチ
(参議院選挙の選挙割は7/17まで)