「ダイバーシティ」という言葉が広がりを見せている今、企業は全ての人が働きやすい職場環境の整備やCSRの推進が求められている。
「人の数だけ性別がある」――そう語るのはLGBTの支援活動を行うNPO法人ReBit代表理事の薬師実芳さん。LGBTから考えるダイバーシティを考えていく。
同法人は、LGBT に関する情報発信やLGBT当事者の就職支援などを行っている。薬師さんは、セクシュアリティは4つの要素から成り立っていると説明する。体の性、心の性、好きになる性、そして服装などの表現する性だ。性別は男女の2つではないのだ。人の数だけ性別がある。そのため、LGBTのマークには、しばしば6色の虹が用いられている。
政府は、女性管理職の数値目標を設定し、その割合を上げることを目的とした取り組みを強化している。しかしその数字を達成すること以上に、まずは目の前の一人ひとりの個性に目を向ける必要があるのではないだろうか。
LGBTは13人に1人の割合でいるといわれている。職場で同僚にカミングアウトしているLGBTの割合は約4.8%。これは、300人規模の会社でLGBTが約23人いて、そのうちカミングアウトをしているのはたった1人ということになる。
性別や障害の有無など、人の数だけある「違い」を理由に働きづらいと感じる人の割合を、どう減らしていくか。まずは、共に働く仲間と話すこと、そして一人ひとりの違いを認め合うことから始まるのではないだろうか。
執筆者:向井里花(福岡教育大学教育学部4年)
広島出身の、カープ女子。趣味は野球観戦、日本酒、フラダンス。夢は自家製チーズ屋さんを営むこと。福岡教育大学では家庭科を専門的に学び、現在は消費者教育分野の研究室に所属。売る人も買う人も幸せになる「エシカル消費」の浸透を目指し、企業側からのアプローチや、情報提供方法について研究中。