オルタナSは9月28日、武蔵大学江古田キャンパスでソーシャルビジネスを研究する自主ゼミを開いた。このゼミは、武蔵大学社会学部メディア社会学科松本ゼミの協力のもと、毎月1回実施されている。第5回目の開催となったこの日は、「人と地域をつなぐには」をテーマに地域活性について学んだ。(武蔵大学松本ゼミ支局=舛田 貴司・武蔵大学社会学部メディア社会学科3年)
講師はボノ取締役の谷津考啓氏。谷津氏は早稲田大学の近くに人と地域をつなげる拠点「我楽田工房(がらくたこうぼう)」を立ち上げた。都会の若者と地方をつなぐ活動「まち冒険」などを企画し、地域活性化をテーマに活動している。
前半は谷津氏の活動内容について触れながら、若者が地域とどう接し、どう関わりをもつのかについて講義を行った。
そこでは東日本大震災以降、「地域」「地方」というキーワードに関心を持った若者が増えていると説明。しかし、多くの若者たちが「地域」「地方」とどのようにつながればいいのかわかっていないという。地域と若者をつなげるウェブサービスが増えているので、「ウェブサービスだけの」つながりしか持てていないと現状を指摘した。
若者が「地域」「地方」と関わりを持つ為にはどうすればいいのだろうか。
谷津氏は、「自ら場をつくるコト」と答えた。「恥ずかしがらずに自信をもって場を作れば、様々な人があつまる」。そうして人がまた人を呼ぶサイクルが起きるという。その循環がやがて若者と地域のつながりをつくっていく事になると語った。
具体例として、谷津氏が実際に行ったある食事会を話してくれた。谷津氏は、地元食材をただ美味しく食べる食事会を開いた。その様子をSNSで発信すると、徐々に参加する人が増えていき、スカイプで各地をつなぐようにもなった。こうして、食事会の動きが大きくなっていくと、それを偶然見た地域住民から声がかかり、その地域とつながった。
後半は自分のやりたい事を通して、どのように地域とつながれるのかを考えるワークショップを行った。
そこで筆者は自身の出身地である「徳島県」のことについて考えた。徳島県と若者をつなげるアイデアを考えた結果、「俺に声をかけろ」と、思わず自分でも恥ずかしいと思ってしまう回答をしてしまった。
しかし谷津氏は一番それが良いと言ってくださった。その理由は、「一歩目が分かりやすいから」。
入りが「分かりやすい」ということが、人を巻き込むために最も大切なことだと教わった。著者自身地域活性は少し難しく考えなくてはいけないのではないかと思っていたが、そうでもなかった。いい意味でゆるく考えることが大事なのではないのだろうか。
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