非営利団体に限らず活動をしていると、本当に使って欲しい人に使ってもらえない、本当に伝えたい人に伝えられない、ということがあると思います。特に、「子どもの貧困」という分野の場合、当事者は様々な支援の情報にアクセスできず、身近に感じていない人は少なくはないでしょう。NPO法人3keys(スリーキーズ、東京・新宿)代表の森山誉恵さんの講演内容から、「いかに対象の人に、サービスを届かせるか」を考えました。(渡邉怜)

同団体では、10代向けの相談サイト「Mex(ミークス)」を運営しています。このサイトを作成する際、(当事者が)「使いたくなること・使いやすいこと」を意識したといいます。

メインユーザーである子どもがすぐに見つけられるように、SEOを強化しています。デザインにもこだわり、悩みを抱えた子どもが相談しやすいような雰囲気を出しました。文字にふりがなを付ける機能もつけるなど、様々な工夫が凝らされています。

森山さんは、啓発活動の際にも、「いかに、普段から子どもを取り巻く課題に関心のない人に届けるか」を意識しています。

例えば、講演会を開く際、ビジネスパーソンを活動に巻き込むために、ビジネスパーソンが興味を持つ講師に依頼します。もちろん、テーマは、「ビジネス」ではなく、「子ども」にして。

保護者の方を対象とする場合は保護者の方が、話を聞きたくなるような講師を呼び、講演会を実施されています。

ただ単にサービスを作る、講演を実施するだけではなく、「誰に届かせたいのか」を明確化し、工夫を凝らして見ること、私自身も実践してみます。

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執筆者:渡邊伶(早稲田大学教育学部4年)
専攻は教育社会学で、教育と社会階層に関して勉強しています。特に、「子どもの貧困」の問題や、「キャリア教育」に関心があり、NPO法人Learning for Allの非常勤職員、一般社団法人Foraという団体の理事を務めています。Learning for Allでは、学習支援を全国に広めるべく、団体のノウハウを自治体に届ける仕事をしており、Foraでは、高校生に学校現場で、進路に関するワークショップを行っています。一年間、よろしくお願いします!

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