「6人に1人が、子どもの貧困」という言葉を聞いたことがありますか?今回第4回「NPO大学」のゲストは、NPO法人3keys代表・森山誉恵さん。3keysは児童養護施設で暮らす中学生・高校生の学習支援を行っています。当日の講演の模様をレポートします。(石黒 和己=青春基地代表)
NPO法人3keys代表理事。2009年に立ち上げた学生団体の活動を大学卒業後も継続、現在はNPO法人として活動を行う。
■「子どもの貧困」とは
「子どもの貧困」。ニュースで何度か聞いたことがあると思いますが、この言葉の定義をまずは整理してみたいと思います。
子どもの貧困とは、一人当たりの等価可処分所得が年間112万円以下の家庭で暮らす17歳以下の子どものことを指す。等価可処分所得とは、税金や社会保障費などを収入から引いた額を、世帯人数の平方根で割った金額。
日本全体の現在の等価処分所得の中央値は、224万円。子どもの貧困はその半分とされています。
分かりやすく言えば、家賃や、食費、学費などを含めて、月々10万円前後で生活している家族ということになります。この家族が、約1055万世帯ある子育て中の家庭のうち、約146万世帯あるのが現状なんです。(2012年時)
引用:http://mainichi.jp/articles/20160218/k00/00m/040/108000
みなさんは、月々どれくらい自分や家族がお金をつかっているか、知っていますか?
さて、今回は「子どもの貧困」のなかでも、さまざまな理由で家族と一緒に暮らせない子どもたちへの現状をお伝えしたいと思います。
■森山さんが、子どもの貧困に取り組む理由
大学へ入学後、育った環境や当たり前に受けてきた教育などの違いを感じたと言います。「人の人生ってこんなにも違うんだと思ったんです。幼少期からの高い学習環境が保証されてきたり、留学などの海外経験、スポーツ、趣味や習い事など、何においてもその差を感じました。」
一方で、育ちによっては、水商売などで生計を立てなくてはいけない人たちがいる。生まれ育った環境によってこれまでに差があるのかと違和感を感じていました。就活の時期になり、これから進む道を考えた時に自分の本当にやりたいことは会社で働くことなのか疑問に思い、2009年、一念発起して学生団体を立ち上げました。
それが今の「NPO法人3keys」です。
(この続きは、青春基地で後日公開します)