NPO大学では、毎月若手NPOの代表をゲストに招き、活動内容についてお話してもらっています。話を聞いた受講生は、各自が「おもしろい!」と思った内容を600文字ほどで記事化します。今回は、ゲストにエシカル協会代表の末吉里花さんを招き、「エシカルの新潮流」と題して講義してもらった内容を、佐藤 理恵さんの視点で振り返ります。

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「すべてをエシカルにすることは難しい。興味のある分野からまずは取り組んでみること」――。エシカル消費の始め方について、一般社団法人エシカル協会代表理事の末吉里花さんはそう話す。末吉さんがエシカル消費を始めた分野は「ファッション」。ファッションを買う基準をエシカルに変えると、他の商品を選ぶ基準も変わってきたという。(佐藤 理恵)

エシカルとは、「人・社会・地球環境・地域におもいやりのあるお金の使い方や生き方のこと」(末吉さん)。エシカル消費とは、商品を購入するときに、価格やデザインだけでなく、作られ方にもこだわることを指す。

末吉さんはエシカル消費を推進しているが、「100%エシカルな選択をすることは、今の社会では実現可能性が低い」と言う。「こうあるべき」に縛られ過ぎず、目の前のできることから始めることを勧める。

例えば、昔買ったブランド品を「長く使う」と決めて、修繕したり、リメイクしたりすれば、そこからエシカルな関わり方ができる。

そもそも末吉さんが社会問題に興味をもったきっかけは、あるテレビ番組の取材で出合った光景。キリマンジャロの氷河を溶かす温暖化問題だ。

環境問題について耳にすることはあったが、小さくなった氷河を現地で、はっきりと目にしたことで衝撃を受けた。しかし、地球環境の問題は背景が複雑で、活動の成果も分かりにくく、関わることへの難しさを感じた。

そんな折に出会ったのが、フェアトレード製品を取り扱うファッションブランドPeople Tree創業者のサフィア・ミニー氏だった。彼女から、「ファッションで世界を変える」という言葉を聞き、「自分の好きなことで、世界を変えられるかもしれない」と希望を見出した。

末吉さんの柔軟で楽し気な姿は共感を生み、エシカル消費の輪は、一人ひとりの一歩踏み出す勇気に支えられ、確実に広がっている。

執筆者:佐藤理恵
2008年大学卒業後、看護師として病院に就職。失敗ばかりの毎日を過ごし、働けば働くほど心がすれて汚くなっていく自分に気づき、4年で退職。NPOに転職、障害をもった方が対象のヘルパー派遣事業に携わる。素晴らしい仲間に恵まれ心の健康を取り戻し、バリバリ働く。その中で、発信力や人を惹きつける力、お金の動きをみる力、資金を行政のお金以外から集める力もろもろ圧倒的な能力不足に悩んでおり、NPO大学に参加を決める。

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