ラッシュやイケア、H&Mなどは難民を支援する世界的なキャンペーンを展開している。難民の数は世界中で2016年は7000万人に及ぶと見込まれているだけに、キャンペーンに弾みをつける考え。難民を対象にした採用活動を推進する一方、売り上げの一部が難民支援団体への寄付となる商品を販売するなど、目に見える形で支援策を加速する。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
ラッシュジャパンでは12月26日から2017年1月9日まで、日本に暮らす難民の支援になるチャリティソープを販売する。商品名は、「ハンズ オブ フレンドシップ」(700円税込/90g)。
同商品の売上から消費税を除く全額を、認定NPO法人難民支援協会、特定非営利活動法人なんみんフォーラムに寄付する。同社では、難民を対象とした採用活動も行う。製造工場で雇用することを考えている。
キャンペーン期間中は、フォトグラファー宮本直孝氏が撮影した日本に暮らす難民の家族の写真を、全国の店舗の店頭ウィンドウに掲示する。国内にラッシュ店舗は約120ある。
2015年に日本で難民申請をした7586人のうち、日本政府が難民認定をした人数は27人のみ(参考:法務省入国管理局「平成27年における難民認定者数等について」)。難民申請に必要な書類は膨大で、高さ10センチに及ぶ。日本語が読めない場合、書類に記入することが困難で、プロボノで弁護士に依頼するしか方法がない。
H&Mは11月3日から、12月31日まで、難民支援になるグローバルキャンペーンを実施している。店頭で販売するH&Mギフトカードの売り上げの一部をUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に寄付し、難民の子どもたちに学用品を供給する。
イケアでは、2014年2月から2015年12月まで、グローバルキャンペーンを実施した。店頭とウェブサイトでLED製品を購入するごとに1ユーロをUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)に寄付した。 期間中の寄付額は3080ユーロ(およそ39億円)に達した。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通してアジア、アフリカ、中東のキャンプで暮らす数十万人の難民に明かりと自然エネルギーを供給した。灯りが照らされ、数千人の子どもたちの通学支援にも役立った。
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