業務用音響機器・映像機器メーカーのTOAが行う小学生向けワークショップ「TOA Music Workshop」(以下TMW)が、初開催から13年目を迎えた。TMWは音楽とダンスによる子どもたちの自己表現力を引き出すことを目的とした、同社独自の取り組み。参加児童数は全国で累計1万人を突破した。(オルタナS関西支局特派員=宝水 幸代)

楽器の音に合わせて、自然と体を動かす子どもたち

TMWは、本業を生かした持続可能な社会貢献活動として2005年から毎年開催してきた。この企画のために特別編成されたアーティストチームが小学校を訪問し、子どもたちに音にあわせて自由に体を動かしてもらう。

これによって、子どもたちに自分を表現する喜びや、豊かな想像力や表現力を身につけてもらうのが狙いだ。2005年の初開催から12年が経過し、これまで計92回実施している。

このプログラムの特徴は、子どもたちの表現力を引き出すだけでなく、音響機器メーカーとしての自社資源を活用し、持続可能な社会貢献活動へと発展させているところ。

社外から起用するのはアーティストなどの専門家のみで、音響機器の準備から設営まで自社で賄うことができるため、費用面などで無理のない運営が可能になっている。

学校との日程調整や機材の運搬に、全国の営業所が積極的に参加しているのも運営がスムーズなポイントだと同社。

直接エンドユーザーと接点を持つことが少ない同社の従業員にとって、ワークショップに参加する子ども達とのふれあいが、モチベーション向上の機会にもなっていると話す。 また、学校を通じて地域社会との接点を持つことは、地域貢献にもつながっている。

公益社団法人企業メセナ協議会の荻原 康子さんは、「メセナなど企業による社会貢献活動は、地域に根を張るだけでなく、『続ける』ということが重要。TOAの活動は、メセナが企業経営の一部になっていることを示すいい例だ」とコメント。10年以上にわたって続く同社の取り組みを評価した。

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