お寺巡りや写経・写仏、精進料理などが体験できる宿坊文化体験施設「和空 下寺町」が大阪市天王寺区で4月23日にオープンする。下寺町は南北1400メートル、東西400メートルの範囲に約80の寺院が集中する、国内でも珍しい寺町。外国人観光客の増加で不足気味の宿泊施設の「受け皿」としてだけではなく、若者や外国人に日本文化への理解を深める場になりそうだ。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)

寺町にできた都市型宿坊

この施設は、宿坊の創生や管理運営を手がける和空プロジェクト(大阪市北区)と業務提携先である積水ハウス(大阪市北区)が、仏教界や地域の協力を得て実現した。

「すべての体験を施設内で完結するのではなく、外に出て地域の寺社に足を運んでいただきたい」。オープンに先立ち開催した式典で熊澤克己社長は、地域を含めた体験で日本文化に触れてもらう構想を語った。

このため、施設ではチェックイン後に無料で寺社参拝を案内するスタッフを用意し、施設内と施設外を橋渡しする。基本パッケージにも周辺寺社での体験が組み込まれている。

宿泊の基本パッケージは、朝夕の精進料理と写経・写仏、オリジナル御朱印作りなどに加え、周辺寺社での朝のお勤めが体験できる。今後、周辺寺社での体験メニューは順次、増やしていくという。

宿坊とは本来、神社やお寺に併設されている宿泊施設のことを指し、僧侶のみが宿泊する場所、もしくは参拝者の心身を清めるための施設だったが、一般観光客などの宿泊も受け入れる施設が増え、現在、全国に約300箇所の宿坊があると言われている。

宿坊での写経体験

体験型の宿坊は、モノからコトへの消費ニーズ転換の流れにも対応する施設。仏教の教えや人生のヒントを僧侶が話す「法話」など社寺体験は、迷いやストレスを抱えながら生きる人に変化を与えるきっかけにもなり得る。寺町の中に誕生した新たな宿泊施設は、国籍、年齢問わず様々な人が日本文化と自らを考えるきっかけをつくってくれそうだ。

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