俳優・伊勢谷友介氏(42)は芸能活動をしながら、リバースプロジェクト社長として、社会課題の解決につながる数々の事業を行ってきた。かねてより若者の教育に関心を持っており、このたび「高校」を立ち上げた。名称はLoohcs(ルークス高等学院)。スクールのつづりを逆にした言葉で、その名の通り、学校のあり方をひっくり返すことをテーマに掲げる。校長には20代の若者が就任するルークス高等学院とは一体どのような高校なのか。(笠井 茂樹)

発起人の伊勢谷氏と発起人代表でルークス高等学院の校長に就任した斎木陽平氏は11月14日、都内で記者会見を開いた

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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]■難関大学への合格保証

同校の大きな特徴のひとつは、難関大学に合格できなかった場合は授業料を返還するという「難関大学の合格保証」だ。伊勢谷氏とタッグを組むのはAO入試専門塾「AO義塾」。2010年から、ハーバード大学や東京大学を初めとした難関校に塾生の87%を送り出してきた実績を持つ。長期間かけてAO義塾のメソッドを全面的に教え込むため、偏差値上位に名を連ねる「難関校」の合格保証に踏み切った。

同時に、同校は偏差値至上主義教育を否定している。偏差値が高い人材ではなく 、「思いやりのココロをカタチにできる人材」を育成することを目指す。対象は高校1~3年生、高校卒業資格が取得可能な一般科目である主要5教科以外にも、特別科目として最先端カリキュラムや人工知能(AI)技術、そして独自の学校運営プログラムを取り入れた。

最先端カリキュラムは「ビジネス」「テクノロジー」「クリエイティブ」「リベラルアーツ」「グローバルスタディ」の5つを軸として構成されている。すべてのプログラムが、社会の第一線で活躍している社会人の手によって設計されている。

例えば「リベラルアーツ」プログラムでは、同校発起人である伊勢谷友介氏が監修し、俳優業の合間を縫って授業に積極的に関わっていくとを表明している。「ビジネス」プログラムでは、ベンチャーから上場企業まで多様な経営者が授業を行う予定。「クリエイティブ」プログラムではNHK大河ドラマ「真田丸」のポスターなどを制作したHottikissの水口克夫氏が監修している。

リベラルアーツは伊勢谷氏自らが担当

「グローバルスタディ」プログラムでは、日本の他にインド・ミャンマー・モンゴルの世界3都市にも校舎を設け、国境を越えてプロジェクト型学習を実施できる。さらに、海外に留学しながら卒業することも可能だ。

世界4都市がキャンパス

そしてLoohcsすべての科目に関わってくる人工知能は、生徒一人ひとりに付くパーソナル学習コーチを支援するために用いられる。パーソナル学習コーチは生徒の学習を総合的に支援する。人工知能は、生徒とパーソナル学習コーチによるチャットのやり取りを学習し、生徒の自学自習を支援する仕組みだ。

人工知能が学習をサポートする

学校運営も特殊だ。同校ではホームルームの運営はもちろん、学業評価や部活・学校行事の運営までも生徒に委ねている。生徒会(同校では学生会と定義)の予算から、組織や選挙制度まで学生に委ねることによって、主体性を育むことを狙いとしている。

学校生活を通して主体性を育む

一方で膨大な量である「特別科目」と「一般科目」の両立だが、同校では「時間の使い方」を変えることによってこれを可能にした。

既存の学校で行われている「一斉授業」の廃止をはじめ、学習カリキュラムの抜本的な見直しを行うことで、効率的な学習を実現。予備校に通う必要がない指導を行うことで、隙間時間を捻出し、特別科目のプログラムを盛り込んでいる。

時間の使い方を変えることで、一般科目と特別科目の両立を可能にした

発起人である伊勢谷氏は、自分自身のことだけでなく、自分が暮らす地域や国、さらには地球全体に対して何ができるのかという、「宇宙人の視点」を育む学校にしたいと意気込む。「天才は偶発的にしか生まれないが、秀才は教育によって生み出せる」(伊勢谷氏)。

同校の校長に就任する斎木陽平氏は、従来の学校の一斉授業や「右へならえ」の日本式教育に疑問を投げかけながら、「世界を変えてきたほぼすべての革新は、『変わった人』によってなされてきた。変わった子や問題児と呼ばれる子たちがもっと輝ける場所と機会を提供したい」力を込めた。

Loohcsは記者会見を行った14日からホームページで「資料請求受付」 「WEB出願」を開始した。


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