「社会貢献」という言葉が頻繁に聞かれる昨今ですが、あなたにとって「社会貢献」とは何ですか? インドネシアで、東日本大震災後は被災地で、子どもたちの夢と笑顔を守るための活動を続けながら、「『困っている人がいたら助ける』ことが、当たり前に浸透した社会」を目指し、「身近な社会貢献」を発信するNPOを紹介します。(JAMMIN=山本 めぐみ)

■昔は皆、「助け合い」の中で生きてきた

NPO法人みんな地球の子どもじゃん(東京・新宿)理事の木村一雄(きむら・かずお)さん(54)は11年前、訪れたインドネシアで学校に通えないストリートチルドレンを目の当たりにしました。

「NPO法人みんな地球の子どもじゃん」理事の木村一雄さん

「話を聞くと、学校に通いたくても通うための手段がないと。それなら、送迎の手段がなくて学校へ通えない子どもたちに僕たちがスクールバスを届けようと任意団体を立ち上げたのが、活動の始まり」と話します。

木村さん自身、近所付き合いの中で、助け合いながら育ってきた世代。「目の前に困っている人がいるのに何もしない」こということに違和感があったのだと言います。

■「等身大の支援」の大切さを実感した被災地

もともと音楽好きだった木村さん。ミュージシャンや絵描きなどのアーティストも加わり、2012年、インドネシア・バリ島の恵まれない子どもやハンディキャップを持つ子どもたちのための学校「YPAC」に、無事にバスを届けました。

インドネシアの学校へバスを届ける「アートバス・プロジェクト」。バスを届けた学校の子どもたちと

その準備に追われていた時、日本では東日本大震災が発生。居ても立っても居られずに現地入りした木村さんは、自分の気持ちとは裏腹に、何もできない無力さに落ち込みました。

しかし、被災した人たちと触れ合う中で「自分に何かができる」という思い上がりではなく「自分で何をするのか」、「等身大の支援」の大切さを実感したのだと言います。

当時、奥さんのお腹に新しい命を授かっていた木村さん。「原発の問題が出てきて、調べれば調べるほど、生まれてくる子どものことが不安になった。福島に住んでいる人たちも、守るべき家族を抱え、同じ不安を感じているのではないかと思った」。

そして、福島のラジオで呼びかけ、自ら窓口となって福島の子どもたちとその家族を、受け入れを表明していた北海道に避難させる活動を開始したのです。

2011年6月、被災地から避難する家族。仙台港を出発した避難者は、15時間かけて北海道・苫小牧港へ

■大切なのは「自分の目で見て、感じること」

避難活動で様々な家族と接する中で、選択を迫られ、もがき苦しむ人たちの姿を見てきたという木村さん。

「避難を選ぶにしろ選ばないにしろ、家族それぞれ、みんな事情がある。にもかかわらず、報道には『避難した人はこうだ』、『残っている人はこうだ』と雑なカテゴライズや表現があふれていた。世間の雑な判断やレッテルに怒りを感じながら、ただ目の前の不安に対し困っている人に手を差し伸べたいという思いがあった」と当時を振り返ります。

震災後、離れ離れに暮らす家族。我が子を抱きながら別れを惜しむ父親。木村さんの頭からこの光景が離れることはなく、被災地に残る父親が避難先の家族へ会いに行くための交通費を支援する活動を始めた

「大切なのは、自分の目で見て、心で感じること。ウソか本当かわからない情報に左右されるのではなく、真実を見て、自分たちができる範囲で助け合うこと。そのための情報や機会を発信していくことも、私たちの役目」と言います。

東日本大震災から6年。現在は、被災地に残る父親が避難先の家族へ会いに行くための交通費を支援する「パパに会いたいプロジェクト」や、福島県の認定子ども園「神愛幼稚園」に北海道のお米を届ける「WHITE LINKプロジェクト」、福島の子どもたちへの保養プロジェクト「遊ぼう十和田!キッズサマーキャンプ」などの活動をしています。

昨年の「遊ぼう十和田!キッズサマーキャンプ」にて。被災地で活動するアーティスト・ハンサム判治さんのミニライブ

■福島の子どもたちに「思いっきり遊べる夏」を届けるチャリティーキャンペーン

「NPO法人みんな地球の子どもじゃん」は、チャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN」(京都)と組み、1週間限定でキャンペーンを実施し、オリジナルデザインのチャリティーアイテムを販売します。

集まったチャリティーは、8月に開催する「遊ぼう十和田!キッズサマーキャンプ」の運営資金として使われます。

今年で4年目となるこのプロジェクトは、3泊4日のキャンプを通じて、福島の子どもたちが恵まれた自然の中で過ごし、思い切り遊ぶことができるプロジェクト。

JAMMINがデザインしたTシャツは、キャンプのプログラムの一つである「カヌー体験」をヒントに、大人も子どもも安心して遊ぶことのできる空間を表現しました。

「JAMMIN×NPO法人みんな地球の子どもじゃん」1週間限定のチャリティーデザイン

Tシャツ1枚につき700円が「NPO法人みんな地球の子どもじゃん」へチャリティーされます。販売期間は7月3日~7月9日の1週間、JAMMINホームページから購入できます。

JAMMINの特集ページでは、「大人も子どもも『みんな地球の子ども』で、ご近所さん。困ったことがあったら、助け合う。そんな小さなことが、社会貢献につながっていく」と話す木村さんの思いを、より詳しくご覧いただけます。Tシャツとあわせて、チェックしてみてくださいね。

地球の上では、みんな等しく尊い夢持つ子どもたち。「困ったら助け合う」、身近な社会貢献が当たり前な世の中に〜NPO法人みんな地球の子どもじゃん

山本 めぐみ(JAMMIN)
京都発チャリティー専門ファッションブランド「JAMMIN」専属ライター。JAMMINは「チャリティーをもっと身近に!」をテーマに、毎週NPO/NGOとコラボしたデザインTシャツを作って販売し、売り上げの一部をコラボ先団体へとチャリティーしています。

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