社会問題に無関心な人を巻き込むための有効なアプローチとして、「未完成マーケティング」と呼ばれる手法がある。提唱するのは、社会問題が起きる現場へのスタディツアーを企画しているリディラバ(東京・文京)の安部敏樹代表。「事前に完成したアウトプットを用意してはいけない」と強調する。(オルタナS編集長=池田 真隆)
同社は性教育から貧困問題まで200以上の現場でスタディツアーを実施してきたが、無関心な人を巻き込むために使う手段が、「未完成マーケティング」だ。この手法では、参加者には事前に完成したアウトプットを伝えない。「現場の最新動向に関する調査」「当事者との対話」「参加者同士の意見交換会」などを行うことによって、旅をしながら社会問題に対して自発的に理解を深めていけるという。
SNSの浸透で、企業情報だけでなく多くの口コミに日常的に触れるようになった。そのため、どこに行くにしても予定調和になってしまい、それゆえに「偶然の出会い」は求められている。
社会問題は立場によって見方が変わり、解決策は一つでないことが多い。消費者と企業が一体となって考えていくプロセスは有効なのではないだろうか。
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