静岡県立大学環境サークルCO-CO(ココ)は、放置竹林問題の解決を目指し活動している。週に1度、同県静岡市清水区大内地区で、地元の有志団体とともに放置竹林の整備活動を行う。竹林整備で学んだ「自然と共生する環境づくり」について、地元の小学生や大学生に伝えている。(オルタナS編集長=池田 真隆)
竹は成長が早く、定期的に整備しないと、太陽の光を遮り、ほかの植物の成長を妨げてしまう。地滑りの原因にもなる。整備は重労働かつ、地道な作業を要するため、対策が困難とされている。
環境サークルCO-COはどのような経緯で放置竹林問題を解決しようと決めたのか。同団体の設立は2006年、もともとはさまざまな環境活動に取り組んでいた。
放置竹林問題の現状を知ってしまったことで、かつて暮らしに根付いていた人と自然との共生が失われていくという問題意識を持ったという。
活動では、大内地区の有志団体である「竹林再生プロジェクト大内」に協力し、週に一度の整備を行う。切った竹は粉砕機にかけて、生ごみなどと混ぜ合わせて肥料にし、竹パウダーとして販売している。
加えて、大内地区に住む小学生を対象にした自然に触れ合うイベントを企画し、大学生向けにワークキャンプやデイキャンプなども行う。毎月最終日曜日に同大学の近くで行われる「草薙マルシェ」にも年に2~4回ほど出店する。
活動の成果が認められて2017年度には、森林レクリエーション地域美化活動コンクールで最高賞に次ぐ林野庁長官賞を受賞した。団体の設立から10年以上が経過し、メンバーは当初は一桁だったが、今では50人以上に及ぶ。