国際環境NGO350.orgの日本支部350 Japanは化石燃料・原発関連企業との取り引きがないとされている「地球にやさしい銀行」へと銀行口座を乗り換えることを市民に呼びかける「レッツ、ダイベスト!」キャンペーンを展開している。(棚尾 真理絵)
同団体は2月9日に、地方銀行、ネット銀行、信用金庫、労働金庫を含む「地球にやさしい銀行」45社に対して、「化石燃料・原発関連企業・事業への投融資の有無」や「環境や持続可能性に配慮した取組み」を問う「金融機関の環境配慮についてのアンケート」を送付し、その結果を本日発表した。
じぶん銀行、神奈川銀行、楽天銀行、そして13の労働金庫(中央労働金庫、中国労働金庫、東海労働金庫、東北労働金庫、長野県労働金庫、新潟県労働金庫、北陸労働金庫、北海道労働金庫、沖縄県労働金庫、九州労働金庫、近畿労働金庫、四国労働金庫、静岡県労働金庫)を代表する全国労働金庫協会、計16の金融機関が3月14日の期限までに回答を提供。
近年、気候変動問題や環境に配慮した事業経営を行うことが金融機関の「社会的責任」の一環として世界的に注目が集まっている。「世界では、脱炭素化に向けて、欧米の銀行を中心にCO2の最大排出源である石炭を始め化石燃料からの投資撤退(ダイベストメント)が進んでいます。今後は金融機関の気候変動対応や投融資方針の内容、関連情報の公開などが主要な評価指標となってきます」と350 Japan代表の古野真は話す。
アンケート調査は「地球にやさしい銀行」のどこが積極的に環境や社会に配慮した銀行業務を行っているか一般消費者に紹介する目的で行われた。
その結果、15の金融機関(じぶん銀行、楽天銀行そして13の労働金庫)が化石燃料および原発関連企業への投資・融資が無いことが判明した。さらに、回答を提供した金融機関の中で、2行(楽天銀行、神奈川銀行)が「事業経営において気候変動問題とその影響への対策を取ることが必要」だと回答し、または13の労働金庫が「気候変動や環境に配慮した投融・融資判断を行っている」答えるなど、前向きな反応が見受けられた。
回答を得られなかった金融機関に関しては、「社会や環境に配慮した金融機関を選びたい消費者に適切な情報が提供されるよう今後も引き続き『地球にやさしい銀行』に対してエンゲージメントを続けていきます」と古野氏は述べている。
日本では「レッツ、ダイベスト!」キャンペーンの一環として、現時点で預金総額約5.3億円のを代表する138人の市民と10団体が銀行口座をすでに乗り換えている。
【参照ページ】化石燃料・原発関連企業との取引がない金融機関が15社判明: 350 Japan「地球にやさしい?銀行」45社の「金融機関の環境配慮についてのアンケート」についての調査結果発表
【回答集計結果】「地球にやさしい銀行」からの回答一覧