ミレニアル世代(18歳~34歳)は各種調査から、社会貢献意識が高い・ITリテラシーが高いなどとされているが、それは一側面に過ぎないようだ。ソーシャルメディアの利用実態から消費者ニーズを解き明かす国際調査の結果がこのほど発表され、「本当の姿」が明らかになった。ミレニアル世代は、「反骨心」「温故知新」「再構築」「アレンジ」の4つの特徴を持っているとし、「異なる文化を取り入れて新しい文化をつくりだす担い手」と説明した。(オルタナS編集長=池田 真隆)

この調査の名称は、「Wave」。世界規模では初となるソーシャルメディアに関する調査で、2006年から行われている。このたび発表されたのは、2018年に実施した調査結果。2018年の調査対象となったのは、世界81ヶ国、5万6千人。調査を実施したのは、米国に本社があるメディアエージェンシーのIPGメディアブランズ。

このたび発表したレポートの著者であるIPGメディアブランズ・マーケティングサインスのヘッドであるグレン・パーカー氏は「かつて我々は18~34歳の若者をミレニアルズと呼びましたが、これは彼らを世代でくくっただけに過ぎなかった。彼らの本当の特徴はこうした異なる文化を取り入れ、新しい文化を生み出すことにある」と断言。同社では、ミレニアル世代の持つ特徴から「リミックス・カルチャー」と名付けた。

「リミックス・カルチュラリストは未来を作るためには、自分自身が未来を象徴する存在たらんと考える。彼らは変革を率いるリーダー、思想家、クリエイターであり、各々が自分の主義に従って生きている」(パーカー)

リミックス・カルチュラリストの特徴としては、RESIST(何かのために立ち上がる反骨心)、RETROGRADE(古いものから新しい着想を得る温故知新の考え)、RECREATE(既存のものの再構築)、REGLOCALIZE(他国の文化を自国流にアレンジして取り入れる)――の4つがあるとした。

パーカー氏は、「企業やブランドは、リミックス・カルチュラリストのこうした思考や主義を理解し、彼らが共感するようなコンテンツやキャンペーンを提供することによって、強固な関係を築くことができると言える」と述べる。

こうした思考形態を持った背景としては、「オンラインプラットフォームの発展が時間や空間を超えた文化交流を可能にした。人は遠く離れた国の文化や、自分が生まれる以前の文化にも触れられるようになった」と説明した。

■影響与えた国:日本は3位

新しい形の文化交流が進む中、日本文化も多くの国に影響を与えていることが明らかになった

同調査では、「自身のスタイルや好みに影響を与えた国」に関する質問もあり、世界20カ国の18~34歳の若年層では、日本が上位3位以内に入った。アニメや漫画をはじめとする日本のポップカルチャーの影響が大きく、医療や健康分野でも、長寿国である日本は、巨大製薬企業を多く抱えるアメリカとともに世界からの注目を集めた。中でも中国、韓国、メキシコにおける日本の影響力は高く、17~18%の人が日本に影響を受けていると答えた。



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