「earth music&ecology」などのブランドを展開するアパレル大手ストライプインターナショナルは9月2日、9月の1カ月間、全国のオフィスと店舗からゴミ箱を一時的に撤去すると発表した。日常業務で出ているゴミの量を可視化させ、社員のエシカルな意識を醸成することが狙い。同社では縫製工場への人権デューデリジェンスやAIで最適生産量を予測し、目標廃棄率0.2%を目指すなど地球環境に配慮した取り組みを行う。(オルタナS編集長=池田 真隆)
この取り組みは、「ストライプごみ箱ゼロチャレンジ」。9月1日から30日までの間、岡山と東京のオフィス、全国の約1000店舗からゴミ箱を撤去する。この期間、オフィスにはペットボトルの原則使用禁止を呼び掛け、ゴミの持ち込みを制限する。
店舗には、ゴミの「可視化袋」を設置する。可視化袋はタグやシール、レシートなどに細かく分けてあり、ゴミの量と種類を各店舗で把握できるようにした。
ストライプごみ箱ゼロチャレンジ担当の二宮朋子・パブリックリレーションズ本部 SDGs推進室長は、「これまで詳細に算出できていなかったゴミの量や種類に関して、この機会に可視化することで、その原因を特定して、ゴミを出さない仕組みを考えていきたい」と話す。
同社の基幹ブランド「earth music&ecology」のテレビCMでは、女優の広瀬すずさんと是枝裕和監督を起用。東南アジアの縫製工場で働く19歳の少女へインタビューするなどして、「エシカルへ」と打ち出した。
同社の石川康晴社長は、オルタナ編集部によるインタビューで、エシカルを訴求する理由について、「改めてブランド理念を伝えることで、エンゲージメント(長期的な関係性)の高いロイヤルカスタマー(優良顧客)を増やしていきたいと考えている。この方向性で3年間、広告キャンペーンを行い、理念共感型の顧客をつくることをKPIに設定している」と述べた。