「保育士の資格がなくても、働きながら資格を取りましょう」――9月7日、江東区で保育園就職フェアが開かれた。待機児童と人材不足の2つの問題を解決するために、保育士としての人材を育てる支援制度の説明などが行われた。(オルタナS編集長=池田 真隆)

各ブースで説明を受ける参加者=9月7日、江東区公会堂ティアラこうとうで

保育園の整備を進める江東区では待機児童の解消に向けて毎年約1000人の定員増を目指している。同区の待機児童数は2017年度から減少し、2019年4月1日時点で51人。一方、保育園における人材難は続き、保育士の確保が喫緊の課題だ。

10月には「幼児教育・保育の無償化」が開始され、「子どもを預けて働きたい」という世帯が増えることが想像される。そこで、同区では保育園と求職者をマッチングさせる「江東区保育園就職フェア in Koto」を開いた。

就職相談会のほか、保育士資格がない人向けに働きながら資格を取得する制度の相談コーナーを設置。単なる採用で終わらせるのではなく、「保育士としての人材を育てる保育士資格取得支援制度」の取り組みについて紹介された。

■江東区から全国へ

キャリアフィールドは国内最大級の保育に特化した求人サイト「ココキャリ」を運営している。同社では保育士資格取得支援制度を実施している。

同社の支援制度を使って資格取得を目指す場合、保育園で保育補助としての経験を積みながら、勤務時間の一環として資格取得のための講座を受講できる。試験に合格し、資格を取得した場合は正社員として採用される仕組みだ。

同社の都築祐一社長は、「保育補助として慣れ親しんだ保育園で安心して働き続けることができるため、制度を導入している園からは、採用のミスマッチを防ぐ上でも高評価をいただています」と話す。

キャリアフィールドの都築社長

保育園側も保育士を育てていこうという人材育成に意欲的な園なので、「働く側にとっても働きやすい環境だと思います」と言い切る。同社は今後、江東区だけでなく全国の自治体へ支援の輪を広げていく予定だ。



[showwhatsnew]

【編集部おすすめの最新ニュースやイベント情報などをLINEでお届け!】
友だち追加