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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]阪口さんが環境に関心を持ったのは、大学3年時。オーストラリアでワーキングホリデーの生活を送り、そこで自然の魅力を感じたという。自然環境を犠牲にする経済成長に違和感を覚え、帰国後の就職活動では再生可能エネルギーの発電会社などを優先的に探していた。
転機は就活のために上京していた3月に訪れる。その日、偶然、阪口さんはSNSでグレタさんの存在を知る。動画で気候危機を訴える年下のグレタさんの姿に感動し、グローバル気候マーチへの興味を持つ。日程を調べると、ちょうど東京で開かれる日だった。
阪口さんは1人でマーチに参加すると、同世代が先導して声を上げている様に刺激を受ける。一方で、危機意識も増した。「日本は温室効果ガスの主要排出国であるのに、参加者はわずか150人。世界では100万人以上が参加しているのに、この関心の少なさに言葉を失くした」。
福岡に戻ってからも、活動を行う同世代をSNSで見るたびに「自分には何ができるのか」という疑問が生まれた。福岡ではマーチは開かれていなく、周囲に仲間はいなかったため、一歩踏み出せない時間が続いた。将来の進路にも悩み、ついには就活も辞めた。
気候変動という大きな問題に対して、自分自身と対話を続ける阪口さんだが、行動に出たのは8月。9月20日に全国で開かれるマーチに合わせて、福岡でも開くことを決めた。「グレタさんを見て、政府任せにするのではなく、とにかく行動に移すことが大事だと思った」と振り返る。
福岡でマーチを開くために行った第一回MTGの様子
しかし、船出は厳しかった。約700人のフォロワーがいるSNSで仲間を募ったが、集まったのはわずか2人だけ。友人に呼び掛けても、「賛同はしてくれるが、政治的なメッセージをマーチという形で社会へ発信することや顔を出すことへ抵抗を感じてしまう人は多かった」。
それでも、ボランタリーで集まった人を組織化する方法などを学び、環境問題を解説しているユーチューブ動画などを使って地道に呼びかけを続けた。その結果、当日舞台となった天神には約100人が駆け付けた。若者だけでなく、阪口さんとはつながりのない大人たちも足を運んだ。
先頭に立って声を出す阪口さん
現在、阪口さんは就活を中断しているが、就職するか大学院に進むか、留学するのか進路については未定だ。それでもマーチを開いて学んだこととして、こう言い切る。「動かないと何も始まらないことが一つ。もう一つは、あきらめずに声を出し続ければ、仲間は集まる」。
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