日本コカ・コーラのホルヘ・ガルドゥニョ社長はこのほど、ボトルtoボトルのリサイクルなどを推進していくための3つの取り組みを強調した。ホルヘ社長は10月16日に同社で開かれたメディア向けの勉強会に登壇。「同業他社に刺激を与えながら、ペットボトルの循環利用を強化していきたい」と述べた。(オルタナ編集部=多田野 豪)
日本はペットボトル回収率98%という世界的にも高い水準を誇る。ホルヘ社長は、実現できたのは、消費者の高い意識、政府や民間セクター、ノンアルコール飲料業界の努力のおかげだとしたうえで、今後の方針として、以下の3つの取り組みに尽力したいと表明した。
最初に挙げたのが、未回収のペットボトルである、残り2%の特定だ。NGOと協働し、どのような経路で、ペットボトルごみが海洋に流出しているかを調べていく。
次に、ボトルtoボトルのリサイクル比率を述べた。ボトルtoボトルとは、回収したペットボトルから、新しいペットボトルを生み出す方法である。海にペットボトルごみを流出させることなく、消費者に同社の製品を届けていく。
同社は7月、グローバルターゲットを前倒しする形で、日本独自の容器リサイクルビジョンを発表した。2030年までにボトルtoボトルの比率を90%にする意欲的な目標を掲げている。
最後は、リサイクルを推進するための新しいテクノロジーの導入について強調した。今年6月、同社はセブン&アイグループの店頭で回収された使用済みペットボトルを100%使用した、「一(はじめ)緑茶 一日一本」を発表した。この製品を、「完全循環型ペットボトル」と名付ける。
このプロジェクトに協力している、寺岡精工は、2018年2月から、東京都と埼玉県にあるセブン&アイグループ300店舗に、ボトル回収機を設置している。
同社の内田明伸・包装環境事業部環境開発グループ担当は、「ノンデポジット社会の日本で、ペットボトルの循環利用を実現できれば、モデルケースとして世界に発信できる」と話した。