優勝賞金100万円の「第6回 SDGs学生小論文アワード by 住友理工」のテーマは、「企業が持続的に成長するために、SDGsにどう取り組めば良いのか」。小論文を執筆することに役立つ情報を紹介します。第一弾はSDGs(持続可能な開発目標)ができた経緯をおさらいしました。(第一弾はこちら)第二弾は、誰でも知っている“あの企業”のSDGsへの取り組みをいくつか紹介します。

・KDDI

大手通信会社のKDDI。同社の企業理念は、「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、お客さまの期待を超える感動をお届けすることにより、豊かなコミュニケーション社会の発展に貢献する」というもの。

KDDIは、昨年10月10日、SDGs説明会を初めて開いた。(登壇者・村本伸一専務)

同社は、主軸である通信事業を通じて、「安全で強靭な情報通信社会の構築」を目指し、地方創生や異常気象などによる災害対策の側面から、SDGsの目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」、目標11「住み続けられるまちづくりを」、目標13「気候変動に具体的な対策を」などに貢献しています。

◆関連記事「KDDI、9つのテーマで SDGsを推進」はこちら

 

・味の素

同社は、調味料や加工食品の技術を生かし、2012年3月からベトナムで「学校給食プロジェクト」を行っており、栄養バランスの良い給食の普及に努めています。現在は、小学校が対象ですが、対象年齢を下げたり、具体的な健康問題を抱えている人に対してのソリューションを提供することで、SDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」へのさらなる貢献が期待できます。同時に、調味料の売り上げや、使用量も順調に拡大しているとのことです。

◆関連記事はオルタナ本誌57号に掲載されています。

「必須アミノ酸のバランスを高めた飼料を与えることで、SDGsの様々な目標に貢献している」と話す、味の素グローバルコーポレート本部ESGタスクフォース担当の太田史生氏

また、同社は長年続けているアミノ酸の研究を活かし、温室効果ガスの削減(SDGs目標13「気候変動に具体的な対策を」)や耕地面積の有効活用(SDGs 目標15「陸の豊かさも守ろう」)にも深く関わる飼料用アミノ酸について学ぶイベントを行ったりもしている。

◆関連記事「味の素、飼料用アミノ酸でSDGsに多角的に貢献」はこちら

 

 

・ソニー

昨年9月末に「国連気候行動サミット2019」が行われ、その一環で国連環境計画(UNEP)が、「Playing For The Planet Alliance」というイニシアティブをつくりました。

日本では、あまり報道されていないのですが、近年若者に対して、絶大な影響力を持つゲーム産業を活用して、気候変動などの環境に関する取り組みを、業界で協力してやっていくものです。

同社のCSRについて話す、ソニーの神戸司郎常務

プレイステーション事業を行うSony Interactive Entertainment(SIE)や、Xboxを販売するマイクロソフトを含め、業界から21の企業が賛同しました。

ソニーは、これからゲーム・ハードウェア自体の環境配慮を高めていくとともに、ゲームコンテンツやメッセージを通して、ユーザーコミュニティに対して、環境に関する啓蒙をするなど、得意のゲーム分野を生かして、SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」に貢献しています。

◆関連記事「ソニー、収益性とサステナビリティを両立へ」はこちら

・ストライプインターナショナル

「earth music&ecology」を主力ブランドとして掲げるアパレル企業。同ブランドのSDGsに関わる取り組みは、オーガニックコットンの使用や脱プラスチックだけでは止まらないと言います。

業界で問題になっている過剰在庫への対応として、同社はAIで売上予測を行うことで在庫の削減にも取り組んでいます。AI予測に従い、仕入れを350億円減らし、利益2倍を実現したとのことです。

ストライプインターナショナルの石川社長

百貨店で販売しているようなアパレルブランドの廃棄率の世界的な平均値である50%に対して、同ブランドの廃棄率は平均でなんと毎年0.2%です。
このように、利益を増やしながら、廃棄物の削減に取り組み、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に貢献しています。

◆関連記事「エシカルは優良顧客戦略:ストライプ社長インタビュー(2/4)」はこちら

SDGsに上手く取り組む企業の2つの共通点
業種は全く異なるが、上記の企業に共通しているのは、「収益性(Profitability)の確保」と「本業での社会課題解決への挑戦」によって、SDGsに貢献していることだと言えるだろう。

企業がSDGsに取り組み、持続可能な世界を実現するためには、企業自体が存続し続けなければならない。そして、持続可能な社会・環境の構築が、企業そのものの存続を左右するということを強く実感します。

「SDGs学生小論文アワード」役立ち情報
第3弾「過去の受賞論文まとめ」はこちら



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