日中に眠気が取れなかったり、集中力が続かなかったりする一つの原因に「デジタル時差ボケ」がある。PCやスマフォ、TVなどの画面から発するブルーライトの浴び過ぎによって、目に異変が生じる時差ボケ状態のことを指す。メガネブランド「Zoff」を展開するインターメスティック(東京・港)が実施した調査では、2人に1人がデジタル時差ボケに陥っており、テレワーク中の人ほど多いことが分かった。(オルタナS編集長=池田 真隆)

林田康隆氏監修の「デジタル時差ボケチェックシート」

昼夜逆転状態のデジタル時差ボケ

デジタル時差ボケとはどのような状態なのか。眼科専門医の医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾の林田康隆理事長はこう説明する。

「PCやスマフォの画面から発せられるブルーサイトは太陽光にも含まれており、睡眠ホルモンとも言われるメラトニンの分泌を抑制することで、人間の体内時計をコントロールしている、人間にとって元来欠かせない光です」

「近年の目覚ましい科学進歩により、太陽の動きに関係なく24時間光に触れている時代になったことで、メラトニン分泌のバランスを崩してしまうことが危惧されます」

「睡眠のリズムが乱れて身体が常に『昼夜逆転状態』に陥り、不眠症になったり、日中の集中力や仕事の生産性低下にも繋がったりしてしまいます。将来的に何らかの健康被害が問題になる可能性が高いと考えます」

2人に1人がデジタル時差ボケ

インターメスティックは5月12~13日、500人のビジネスパーソンと小学生の子どもを持つ親500人の合計1000人を対象にデジタルデバイス(スマフォやTVなど)の使用状況についての調査を行った。

調査の結果、一日当たりのデジタルデバイスの使用時間が10時間を超えると回答した人が全体の49.4%に及んだ。51.6%がデジタル時差ボケに陥っており、デジタル時差ボケに陥っている人ほど日中に眠くなり、仕事の集中力が低下することが分かった。さらに、テレワークを実施している人ほどデジタル時差ボケに陥っていた。

林田理事長はデジタル時差ボケを防ぐには、4つのポイントがあると言う。ひとつ目は、就寝時のスマフォを控えること、2つ目は、適度な運動、3つ目はブルーライトカットのメガネをかけるなど対策を取ること、最後は、目に良い栄養素を積極的に取ること。

睡眠ホルモンであるメラトニンが多く含まれている食品はマッシュルームやナッツ、卵やサーモンなど様々ある。トマトやぶどうも有効だ。

調査結果の詳細はこちら

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