未だ記憶に新しい東日本大震災からちょうど半年経った9月11日、津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市で心の音楽祭が開かれた。音楽を通して、ひとりでも多くの方に希望と笑顔の火を灯したいという思いの元に石巻市民、そして石巻で活動しているボランティアが集まり今回のイベント開催に至った。
開演に合わせて会場には老若男女問わず、当初の予定を上回る多くの人々が駆けつけた。ステージ上には震災後いち早くボランティアにも駆けつけたSpinna B-ILL(スピナビル)など様々なジャンルのアーティストが音楽で石巻市民を勇気付けた。
14:30からは慰霊祭が行われ、ちょうど半年前本震の起こった14:46には会場全体から祈りが捧げられた。夜なり今度は音楽だけではなく、キャンドルが灯され、暖かな光が会場全体を優しく、そして安らかに包み込んだ。
震災直後も「不謹慎」という言葉が話題になったが、今も未だ現地の状況は音楽を聞いている場合ではないかもしれないし、イベントやエンターテインメントが直接復興にもたらす影響を数値化しようとすれば微力な経済効果くらいしかないかもしれない。しかし会場に集まった人々はそれぞれに久々のお祭を楽しみ、その顔には確かに希望と笑顔が輝いていた。そんな音楽の持つ不思議な力から元気、そして安らぎを得て、石巻の人々はきっとここからまた未来へと次の一歩を踏み出していくのだろう。(オルタナS特派員 薗部誠弥)
心の音楽祭 Webサイト
http://kokoro-ongakusai.jp/