未来の社会起業家を輩出するビジネスコンテスト「ソーシャルビジネスグランプリ2012冬」が2月5日、東京千駄ヶ谷の津田ホールで開催された。
主催は社会起業家を育成するビジネススクール「社会起業大学」(東京・千代田区)。当日は、社会起業大学第4期生約40人の中から予選を勝ち抜いた6人の生徒によるビジネスプランが発表された。
約4カ月間に渡り自分自身の原体験を深堀して、自分だからこそ出来る社会貢献を考え抜いた生徒たちの晴れ姿を見に400名以上の来場者が訪れた。
審査員には、社会起業大学名誉学長であり社会起業家フォーラム代表の田坂広志氏や、エン・ジャパン株式会社代表取締役会長の越智通勝氏など総勢11人の有識者が並んだ。
グランプリには、全国に70万人はいるとされる大人のひきこもりに就労支援や自立支援を行う川初真吾さん(39)が選出された。川初さんは、「ひきこもりは、炭鉱の中で危険を察知するカナリアと同じ。彼らは、現代の社会のゆがみを感じ取っている。履歴書の空白やひきこもりという生き方の選択肢があっても良いのでは」と疑問を投げかけた。
そのほか、来場者の投票数で決める共感大賞には、インドに移住して貧困農村部での雇用創出に取り組む板倉沙織さん(27)が選出された。オルタナ賞を受賞した三井俊介さん(23)は、2012年3月に大学を卒業後、岩手県陸前高田市広田町に単身で移住して復興を兼ねたまちづくりを行う。
審査員長の田坂広志氏は「社会のモノの見方を変え、価値観のパラダイム転換をしていく社会起業家の果たす役割は大きい」と述べ、志のままに生きる未来の社会起業家たちへエールを送った。(オルタナS特派員=池田真隆)
社会起業大学