国家予算を切り口として、若者が政策を考える未来国会2012。昨年開催された未来国会2011では、課題を抱える日本に雇用流動を生み出す仕組みを考えた政策が最優秀賞に選ばれた。
今年開催する未来国会2012の代表を務める永野あきほさんは、その仕組みを考えたチームに所属していた。永野さんは未来国会に参加する意義を、「国を俯瞰して捉えるので、国全体を考える視点を持てる」と話す。
未来国会では30歳未満の若者たちが数人でチームを組み、約2ヶ月をかけて国家ビジョン・政策・予算を考える。「初めて国家予算の資料を見れて勉強になった」と永野さんは語る。国債がこれほどまでに貯まっていたのかと驚いたという。
また、メンターとして財務省、厚生労働省、経済産業省、文部科学省の若手官僚が政策作りに関わる。「一つの産業だけを成長させていく時代ではない。今の時代は様々なセクターで、アイディアがたくさん出る土壌作りが必要」と財務省の若手官僚に言われたことが、永野さんたちが考える政策のきっかけになった。
永野さんたちのチームが考案した「リベラル・ジョブ制度」とは、若者が最終教育課程終了後3業種を経験する制度。そして、卒業後10年間は新卒扱いとする。様々な業種を経験することで、斬新なアイディアを養うことを目的としている。
「予算も自分たちで考えるので、税金を増やすにしても、国債にどう対応するのかなど、全体を見て考えなくてはいけない。私たちは、経済成長という路線をとったが、この政策について甘いという意見も審査員から頂いた。ただ、若者の意見に大人が真剣になって答えてくれたことは、とてもいい経験になった」と昨年を振り返る。
今年の未来国会は、7月29日にキックオフイベントが開催され、ゲストに「PRAY FOR JAPAN」の創設者である鶴田浩之氏と、学生団体ivote創設者の原田謙介氏が呼ばれ、両者によるトークセッションが開催される。(オルタナS副編集長=池田真隆)
・未来国会2012