ビジネスを通じた社会課題解決の担い手を育成しようと、ボーダレス・ジャパン(東京・新宿)はこのほど、高校生や大学生を対象にしたプログラム「ボーダレスユースフェロー」を立ち上げた。気候危機をはじめ若い世代に社会問題への関心が高まるなか、自らのキャリアの選択肢として、ソーシャルビジネスに一歩踏み出す場をつくる考えだ。プログラムを通じ年間100人の担い手を輩出することを目指している。(堀理雄)

ボーダレスユースフェロー

対象は高校生や大学(院)生、専門学校生で参加費は無料。まず8月に行われるオンラインでの合宿で、社会課題解決に向けた自らのビジョンを深掘りし、プロジェクトの設計に取り組む。合宿後に定期的に開かれる「プロジェクト報告会」で基準を満たせば「ユースフェロー」に認定される。

ユースフェローは、事業経営のメンタリングや起業家ゼミの受講、広報支援などを受けられる。世界13か国で35の事業を展開する同社の知見を生かし、ビジネスモデルづくりを全面サポート。社会問題解決に取り組む同世代の仲間との出会いの場にもしていく狙いだ。

「フードロス問題や生活のなかでのサステナビリティなど社会問題に関心を持つ若い世代が増えている。その一方、周りに相談できる人がいなかったり、地方に住んでいて活動や情報にアクセスしづらいなど『関心はあるけど踏み出せない』という声は多い」

こう話すのは、プログラム事務局を担うボーダレス・ジャパンの鈴木健太郎さんだ。鈴木さんは同社で採用を担当するなかで、10代のうちからキャリアの選択肢としてソーシャルビジネスに触れる機会や、活動に打ち込める環境が重要だと感じているという。

「社会問題に関心を持つ一人ひとりが孤立せずつながりながらプロジェクトを深めていく中で、一人でも多くの社会問題解決を目指す若き担い手が生まれ社会問題の解決につながってほしい」(鈴木さん)

オンライン合宿のエントリーは、同社ホームページから。8月10日まで募集している。