「旅人」という言葉は、二つの相反するイメージを持ち合わせているように思う。まず1つ挙げられるのは、自らの住みかを離れ、まだ見ぬ土地や気に入った場所、非日常・自由を求めて旅を続ける人と言ったところだろうか。

そんなポジティブなイメージとは対照的なイメージが、「旅人」という言葉にはあるように思う。「現実逃避」や「自分探し」というイメージだ。

世間になじまず、人生に迷い、自分探しをするため、自分自身を見つめなおすために旅に出る。そんな影を持っている人というイメージがあるように思う。

ところが、この島に暗い空気は感じられない。旅人たちは、生き生きとした表情で南国での生活を楽しんでいる。

「好きな場所に、好きな期間いる」「旅をしていたい」を貫いているだけなのだ。居心地のいい場所で、気持ちよく笑って暮らす。そんなシンプルな考え方がすがすがしい。

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