防災ドキュメンタリー映画「あの街に桜が咲けば」がこのたび書籍化した。同映画は、岩手県陸前高田市を襲った津波の最高到達点に桜を植える活動を行っている認定NPO法人桜ライン311を追ったもの。書籍では、映画の内容と全国47都道府県で実施した上映会についてまとめられている。「あの街に桜が咲けば」の監督で、同書籍の著者小川光一氏は「大切な人のために防災意識を持ってほしい」と言う。寄稿してもらった。
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2014年3月から二年間に渡り、全国47都道府県で約2万人を動員した陸前高田ドキュメンタリー「あの街に桜が咲けば」が、2016年4月に書籍化されました。書籍タイトルは、映画と同名で、『あの街に桜が咲けば』(ごきげんビジネス出版)。
岩手県陸前高田市では、東日本大震災の教訓を後世に残すために、認定NPO法人桜ライン311によって、市内で、津波の最高到達点に桜を植える活動が行われています。「同じ悲しみを繰り返して欲しくない」という想いで桜を植える彼ら。その姿を通して防災意識の喚起を行なうことを目的として、映画「あの街に桜が咲けば」は制作されました。
そして、この度はその映画の内容を散りばめながら、桜ライン311に密着した日々、全国上映の日々などがミックスされた形で本「あの街に桜が咲けば」が発売となります。
この本に込められたメッセージを一言に集約すると、「大切な人のために、今の内から防災をしておいて欲しい」ということです。日本は、世界有数の災害大国にも関わらず、3人に2人が「防災が不十分」という非常に深刻な社会問題を抱えております。いつどこで災害が起きてもおかしくないこの国において、大切な人を失ってから「防災しておけば良かった」なんて、誰一人として思いたくないはずです。
現在も平成28年熊本地震の被害によって、熊本・大分では苦しい状況が続いておりますが、九州の方々を想う気持ちと同時に、私たちは「いざ自分の街で災害が起きた時に、大切な人と一緒に生き抜く力を持っているのか」ということも改めて考えるべきだと思います。
この本を手に取った一人でも多くの方が、暖かい気持ちで「大切な人守りたいな」「ちょっと防災しておこうかな」と思い立つこと。そして、この本を活用して、大切な人とその想いをシェアしてくださることを願って止みません。
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