耕作放棄地を減らすプロジェクトをNPO法人green bird(グリーンバード、東京・渋谷・代表横尾俊成)とMY FARM(マイファーム、京都府・京都市・代表福島雄裕)が共同で立ち上げた。プロジェクト第一弾として、京都、名古屋、大阪の耕作放棄地の草むしりや土砂の掻き出しツアーを行う。仲間と農業の楽しさを味わいながら、ポイ捨てされた耕作放棄地を減らしていく。
グリーンバードは街の清掃活動を行う団体で、去年結成10周年を迎えた。国内外で40チームほどが結成されて、ゴミのポイ捨てが「かっこ悪い」というメッセージを伝え続けてきた。
昨年、同団体は福島県いわき市で、耕作放棄地でオーガニックコットンを育てる企画を実施した。秋には、オーガニックコットンの収穫も実現し、その時の達成感が忘れられないと参加者からの好評を得たという。
今回の共同プロジェクトのリーダーである辻本恵太さん(京都大学大学院理学研究科博士課1年)はグリーンバードの京都のチームリーダーでもある。昨年のいわき市の企画にも参加した。
「いわき市での継続的な活動に加えて、全国にチームを持つグリーンバードの特徴を生かして、各地の耕作放棄地問題に取り組んでいきたい」と話す。
自産自消(自分で作り、自分で消費する)できる社会を実現するために、耕作放棄地問題に挑んでいたマイファームと組み、耕作放棄地が発生する最大の原因とされる人手不足の解消を目指す。
9日からクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でプロジェクト費用を集めている。寄付者は、農地で取れた野菜の詰め合わせセットやグリーンバードの被災地支援プロジェクトへの無料参加券が得られる。
年々増加する耕作放棄地の原因とされる人手不足が起きる要因として、農業就業者の高齢化がある。1960年の平均年齢は40歳弱、農業者人口1400万人だったが、2011年には65.9歳、人口260万人になった。
農離れが進む若者の意識改革に、プロジェクトリーダーの辻本さんは「農家との交流」を切り口に挑む。
「今回のツアーでは草むしりや土砂掻き出しをするだけでなく、近隣の農家の方との交流も行い、農家との距離を近づけたい。グリーンバードの『ゆるく、楽しく』というコンセプトを大切にしながら、清掃活動以外の社会問題にも活動の幅を広げていきたい」
耕作放棄地の拡大に歯止めを掛けられるのか。時には、「合コン」に行こうという誘い文句を使い、早朝清掃活動に対する若者の意識を変えたグリーンバードに注目が集まる。(オルタナS副編集長=池田真隆)
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