オルタナはこのほど、別冊「72組織 わがパーパス」を発行しました。省庁・自治体・株式会社・非営利組織(大学や病院を含む)など72組織のトップに、パーパス(存在意義)を執筆していただきました。その一部をご紹介します。
森と人がずっとともに生きる社会へ
いま地球上では1秒間にテニスコート15面分の森林が失われていると言われています。このような森林が危機的状況のなか、more treesは「もっと木を」というコンセプトのもと、音楽家・坂本龍一氏の呼び掛けによって2007年に立ち上がりました。
近年、森林破壊は緩和どころか、むしろ拍車がかかっています。最近でも南米アマゾンやオーストラリア、インドネシアなど世界各地で大規模な森林火災が頻発しており、その多くは農地拡大や資源開発など人間の経済活動に起因しています。
例えばパームオイルはポテトチップスやチョコレート、シャンプーなどの原料になりますが、油ヤシを生産するためのプランテーション開発は熱帯地域に集中しており、熱帯雨林減少の大きな要因となっています。
私たち人類は、長い歴史の中で森林から恩恵を受けてきました。木材、水、食物、そして空気。森林には本来、さまざまな恵みをもたらしてくれる「多面的機能」があります。しかし森林が失われることでこうした機能が損なわれるどころか、気候変動にも大きな影響が出ています。
大切なのは、資源を過度に採りすぎずにいい塩梅で恵みをいただくことです。私はよく森林資源を「元本」と「利子」に例えます。森として存続するのに必要な元本を損なわず、育った部分、つまり利子の分だけ使い続ければ、森と人はずっと共存できます。
残念ながら、今は人間の経済活動によって、利子どころか元本さえも食い潰しています。
…続きは「alterna別冊 72組織 わがパーパス」をご覧ください。