———株式会社はぐくむの事業内容について教えて下さい。
小寺:人生の大半を占める「働く」をもっと楽しく、心から意義や意味を感じることにできる様に、場作りやサポート(研修)などをしています。
———企業理念にもある「一人一人が幸せであれる世界」とはどういう世界なのでしょうか。
小寺:「幸せ」を考える時、僕は「モノやお金をたくさん得られれば幸せ」という世界観ではなく、「人と人、人と自然など豊かなつながりからはぐくまれる幸せ」を大切にしています。
豊かな関係性をはぐくむ為には自分自身を受け止めた上で、互いの違いを認めあうことが大事だと考えています。だからこそ、一人ひとりが自分に対して「yes」と言えること、つまりは自己肯定感を高め自分の可能性にチャレンジできる環境を、周りの人達との良質なコミュニケーションを通じて築いていくことが必要だと思うのです。
「社会を良くする」とか「社会貢献」といった世の為、人の為に何かを継続していくには感謝や利他の精神が大切だと思うのですが、その為にはしっかりと自分自身を見つめ、自分の生き方を磨いていく必要があると感じています。
関わりのある人たちと真剣に関わり、想いを分かち合っていく中で、自分と他者への理解が深まり、どんどん自分の生き方が定まってくると自分だけの為に生きる世界観から人と共に生きる世界観や、人の為に生きる世界観になっていくと思います。
1人だけで社会を変えようとするよりも、100人、1000人と多くの人と一緒に社会に働きかける方が社会は変わっていくと思うからこそ、僕らは1人でも多くの人が自分の人生の主人公として意味のあることに生きられる様に、後押しやキッカケづくりをしていきたいのです。
———そのような理念の会社を立ち上げたきっかけはなんですか。
小寺:一つは自分自身が幼少期にソ連やアメリカ、日本と異なる環境で暮らしてきたことが大きいと思います。本当に色んな異なる考え方、世界観に触れて、葛藤してきた経験がベースにあると思っていて、それ全ては今日語りきれないと思うのですけど(笑)その中でも一つ大きいのは、日本に帰国して感じた教育に対する違和感でしょうか。
すごく簡単に言ってしまえば、教育を変えたいと思ったのです。もっと、一人ひとりの想いが共有され、一人ひとりの可能性を後押し、応援する様な風土をはぐくみたいと思ったんです。
それぞれが抱いている夢や願いがもっともっと真剣に聴かれてもいいよねと思ったし、すぐ否定したり、無理だよって諦めるのはメチャクチャ勿体ないって何度も感じた経験が今の僕の強い原点ですね。
だから、僕自身まずは人の可能性を引き出せる人になりたいと思って、コーチングとかコミュニケーションについて勉強し始めたのです。相手を打ち負かすコミュニケーションではなく、互いの違いを受け入れ、互いの良さを生かし合える関係性をはぐくむコミュニケーションを大切にしてきて、もっともっと多くの人に安心と信頼をはぐくむオープンコミュニケーションの魅力を伝えていきたいです。