オルタナはこのほど、別冊「72組織 わがパーパス」を発行しました。省庁・自治体・株式会社・非営利組織(大学や病院を含む)など72組織のトップに、パーパス(存在意義)を執筆していただきました。その一部をご紹介します。

垣内 俊哉・ミライロ代表取締役社長

誰もが未来の色を描ける社会へ

唯一楽しかった記憶が残っている、私が通った幼稚園は、壁も手すりも至るところがオレンジ色でした。今は私が使っている車いす、着用しているネクタイ、使っている文房具、すべてがオレンジ色です。いつからかオレンジ色に囲まれていることは、私の存在を肯定するような意味合いを持っていました。

楽しい時間はあっという間に終わりを迎えました。私は小学校から入退院を繰り返し、高校に入ってすぐ夢も希望も抱けなくなり、退学してしまいました。歩けないことを悲観し、障害があることを蔑んでいました。その現状を変えたくて、生きる意味を知りたくて、私は猛勉強の末、大学に進学しました。

大学に入学した翌年、「バリアバリュー」という理念を掲げ、友人と起業しました。半年が経って、応募したビジネスプランコンテストで優勝。学校にも通えず、誰かとなにかを成し遂げた経験がなかった私にとって、あの日のできことは生涯忘れられません。

仲間として認めてもらえたこと、社会から評価してもらえたこと。かすかではあるものの、自身の存在意義を初めて認識できた瞬間でした。

2010年、障害があってもできることではなく、障害があるからこそできることを探そうと、バリアフリーの調査やコンサルティングを行う事業を始めました。1年、2年と飛び込み営業を続けた結果、少しずつ教育機関やレジャー施設などクライアントが増えていきました。

その中で、バリアフリー化だけではないニーズを知り、教育研修「ユニバーサルマナー検定」を開始しました。障害のある方々の視点から伝える研修は、ホテルや結婚式場、金融機関など、多くの業界で採用され、ミライロの屋台骨となる事業になっています。

創業から10年、気づけば事業は広がり、社員も増えました。なにより多くの障害のある方々が、ミライロの事業に携わってくれていることを感慨深く思います。

…続きは「alterna別冊 72組織 わがパーパス」をご覧ください。

株式会社ミライロ




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