「ふんどし姿なら飛脚をやると面白いかな」と考え、自分でミシンを使って縫ってふんどしを作った。ホームページを立ち上げ、こんな宣言を発表した。

「私たちは世界を変えることができる。そう信じています。たとえそれが、『飛脚を現代に蘇らせたらどうなるか』という純粋な問いが始まりだったとしても。私は世界を変えることができる。飛脚は世界を変える。江戸時代の飛脚を現代に持ってくることで、平成と新しい科学反応を起こすことでしょう」(ホームページ「現代の飛脚」より)

そして、実際に飛脚業を始めてしまった。

「飛脚業は去年の夏から始めて、秋冬は依頼が少なく寒いので休み、また今年の夏休みにやろうと思っています。仕事はフェイスブックやツィッターで依頼が来ます。1件で500~1000円で受注しましたが、以前に発注された企業がリピーターになってくれています。東京・渋谷でも3日間、ふんどし姿で飛脚をしました」(塙くん)

ふんどし姿は、電車に乗っていると目立つ。そのため、途中から肩掛けの部分に企業の広告を1日1000円で受注した。ふんどし姿のとき、上着は腹かけの腹の部分にオリジナルのロゴシールを張っている。このロゴも塙くんのデザイン。今月、彼は株式会社飛脚堂を登記し、社長になった。

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