エティックは1997年から、大学生を創業期のベンチャー企業・NPOに長期でインターンとして送る「アントレプレナー・インターンシップ・プログラム」を行ってきた。同プログラムには、楽天やサイバーエージェント、ブックオフなど18年間で1200社が参画した。

学生は創業期の組織で中核として役割を担うことで、起業に必要なスキルやリーダーシップなどを身につけた。このプログラムの卒業生のなかから154人が起業している。

このプログラムは同団体を象徴する事業だったが、この私塾の立ち上げと引き換えに、やめる。その理由について、エティックの内野博礼・コミュニティープロデューサーは、「スタートアップで将来起業したい学生が長期インターンすることは、広まってきた。世の中を変えるリーダーを育てるために、違うあり方を模索したかった」と話す。

同団体が学生に、長期インターンシップを提供した起源は、「自分の人生を自分で切り開いてほしい」という思いがある。同団体は1993年に学生起業家のネットワーク組織として活動を開始した。

立ち上げメンバーは大学生であり、彼らの周囲の同世代は、「メディアや政治を変える」と興味の赴くままに好き勝手動いていたが、いざ就職活動の時期になると、偏差値で大学を選ぶ感覚で、知名度のある企業から受けていく姿に疑問を感じていた。

一方で、メンバーは起業家と出会う機会があり、起業家の仕事への姿勢・ビジョン・生き様に刺激をもらった。1993年には、「アントレプレナー」という生き方は選択肢にはあがらなかったが、この生き方を大学生に伝えることで視野が広がるはず、と思い、大学に起業家を招いて話をしてもらった。

そして、起業に興味を持った学生と勉強会を始めた。勉強だけでは収まらず、学生たちは自ら起業家のもとへ行き、丁稚奉公をはじめた。学生ながらベンチャー企業の中核を担って働くと、3カ月もすれば目の色が変わったという。こうして、インターンシップを事業化していった。これがエティックの始まりだ。

私塾の企画を考えた内野さんは、「ここでは、同じ山を目指している者どうしのコミュニティができることで、全体でレベルを高めていける」とし、「世の中を変えるリーダーを輩出する」と宣言する。

・MAKERS UNIVERSITYはこちら

[showwhatsnew]
1 2 3