世界30カ国以上の動物保護団体からなるファーフリーアライアンス(以下FFA)は9月6日、ファッションブランド「プラダ」に対して、毛皮の使用を辞めることを求めるグローバルキャンペーンを始めたと発表した。キャンペーンは9~10月に開かれるニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリでのファッションウィーク中に行う予定。すでに、バーバリー、グッチ、ベルサーチ、アルマーニ、マイケル・コース、ダナ・キャラン、ヒューゴ・ボスなどの有名ブランドが毛皮を使用しない方針を発表している。(オルタナS編集長=池田 真隆)
毛皮農場では、動物たちは金網製の床の檻で、自然な行動を一切遮断され、最後はガスや肛門からの感電で殺されるだけの一生を過ごす。野生下では、動物たちは罠で捕えられる。捕獲者がその動物を回収に来るまでの数日間、動物は何もできないまま放置される。動物たちは必死に脱出しようと、しばしば自分の手足を食いちぎることもある。
毛皮の生産は環境にも害を及ぼす。毛皮農場やなめし工場は、廃棄物や有害化学物質を周辺環境に流すため、土壌や水資源にとって非常に有害だ。
ノルウェー、オランダ、ベルギーなどは、毛皮農場を禁止した。サンフランシスコやサンパウロといった主要都市では、毛皮の販売を禁止し、2000年に毛皮農場を禁止した英国や、ロサンゼルスも毛皮の販売を禁止しようとしている。
日本国内の毛皮付き製品の輸入量はピークになった2016年から約80%減少している。キャンペーンを続けてきたアニマルライツセンターの岡田千尋代表理事は、「日本の消費者の多くが、毛皮の生産方法の実態を知ったときに毛皮を拒絶する。多くの人がすでにファーフリーを選択しており、プラダの企業活動には何ら支障をきたさないはず。むしろ、いまだにプラダが目を覆うような動物虐待に加担していることはとても残念なことで、一刻も早く、エシカルな選択をしていただきたいと思っている」と話した。
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