オルタナS編集部はこのたび、社会の広告社と共同で大学生向けにソーシャルイシューの現場を体感する「ソーシャルステイ」を行いました。今回のステイ先は、介護や保育や障がい者支援を展開している社会福祉の現場。公募で集まった大学生たちは、社会福祉の領域で活躍する若手リーダーのもとを訪れ、密着取材を実施しました。その模様をお伝えします。

「社会福祉HERO’STOKYO2019」プレゼンテーターに学生ライターが会いに行った! 連載②保育士 福島里菜さん『スマートな働き方で、保育士も親子もハッピーに』

保育園と聞くと、仕事量の多さから、過酷な職場だと思われる方が多いのではないでしょうか?しかし、そんなイメージを大きく変える保育園があります。働き方改革によって、職員、子ども、保護者、全員が幸せになる。そんな保育園を現場で支える、一人の女性保育士に話を聞きました。(多田野 豪)

12月10日に開かれる「社会福祉HERO’S TOKYO 2019」には社会福祉を担う若手7人が登壇、福島さんもその一人

福島さん(左)の取材をする多田野さん

保育園と聞くと、仕事量の多さから、過酷な職場だと思われる方が多いのではないでしょうか?しかし、そんなイメージを大きく変える保育園があります。働き方改革によって、職員、子ども、保護者、全員が幸せになる。そんな保育園を現場で支える、一人の女性保育士に話を聞きました。(多田野 豪)

西区南堀江保育園てのひらの保育士・福島里菜さん

大阪府を拠点に活動する社会福祉法人江東会。3つの保育園を経営しており、そのうちの一つである西区南堀江保育園てのひらは、ICT導入やボトムアップ型チームで働き方改革を実践したり、地域と盛んに交流したりすることで、職員と親子双方が居心地の良い、保育園を目指しています。

「働きやすい環境が構築されることで、園児や保護者とより良い関係を築けると思います。それが職員のやりがいにつながると思うので、そういった保育園がもっと増えてほしいです」——そう話すのは、保育士として働く福島里菜さん(28歳)。

大阪府大阪市にある西区南堀江保育園てのひら(以下 てのひら)では、保育士、調理師、栄養士、看護師、事務員など、計19名の職員が働いており、0歳〜5歳の計73人の園児(2019年10月時点)を保育しています。

園児がいる中、パソコンで情報管理

「業務の効率化によって、職員一人ひとりの仕事に余裕ができ、それが自然といい循環に繋がっているように思います」と話すのは、福島さんの同僚で保育士の文元 善美(ふみもと よしみ)さん。

ICT導入による業務効率化

保育士の業務を複雑化している理由の一つが、情報を紙媒体で管理していることです。

「クラス日誌や連絡帳の記入、園児の体調管理など、あらゆる情報を紙媒体で記録・管理するのが一般的です。しかし、それによって、保育士の一日の業務時間が長引いてしまいます。例えば、担当のクラスの園児に発熱があった際は、そのクラスの担任の先生は、他クラスの先生を呼んで、園児たちを代わりに見てもらいます。それから事務所に移動して、保護者の連絡先を調べて、連絡をします。この手順では、電話番号の確認と保護者への連絡のために、教室から事務室へ移動する時間がかかるだけでなく、代わりでクラスを見てくれる先生も、自分の業務を後回しにしなければならなくなります」と福島さん。

紙媒体での管理は、職員間での情報共有も複雑化してしまいます。

「保育園では、何か行事を行う際、必ず日案という計画書のようなものを作成しなければなりません。園児の安全を守るために、行事当日の段取りを職員間で共有することは、非常に大事ですが、紙媒体で日案を作成すると、1枚の紙面を職員全員が確認するのは、とても難しいですし、手間がかかります」と福島さんは話します。

園児と職員の登園・降園時間を、タッチ式カードで管理

てのひらでは、ICTシステムを導入して、業務の大幅な効率化を実現しています。

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