オルタナはこのほど、別冊「72組織 わがパーパス」を発行しました。省庁・自治体・株式会社・非営利組織(大学や病院を含む)など72組織のトップに、パーパス(存在意義)を執筆していただきました。その一部をご紹介します。
100年後、地球のために何を残せるか?
100年後 わたしの詩の葉を心をこめて読んでくれる人 君はだれか。いまから100年後に早春の今朝の喜びの 仄かな香りを、 今日のあの花々を、鳥たちのあの唄を、 今日のあの深紅の輝きを、わたしはの愛をみなぎらせ君のもとに届けることができるだろうか。(中略)
今から100年後に君の家で歌って聞かせる詩人は誰か。今日の春の歓喜の喜びの挨拶、わたしは、その人に送る。わたしの春の歌が、しばし君の春の日に こだましますように。 君の心こころ臓の鼓動のなかに、若い蜂たちのうなりのなかに、そして、木の葉のざわめきのなかにも、こだましますように。 いまから100年後に。
これは、インドの詩聖ラビンドラナート・タゴールの詩です。
タゴールは、アジアで初めてノーベル文学賞を受賞し、インドとバングラデシュ国歌を作りました。深い知恵と高い精神性により、自然教育、全人教育に力を注ぎ、平和の郷である「シャンティニケトン」にタゴール学校(現在のタゴール国際大学)を設立しました。
タゴールは、文明の発達で壊れていく地球文明を100年前から心配していました。タゴールは5度訪日し、3回は横浜の三溪園に滞在。日本の美に感銘し、美しい地球に創造するリーダーは、日本精神にこそあると確信し、日本に期待したのです。
しかしこの願いは、時代背景の影響により叶うことはありませんでした。私は、タゴールの詩「100年後」を、タゴール生誕150年祭で朗読した時、タゴールの心と繋がる体験をして、人生が大きく変わりました。時空を超えて思いは届くことを確信したのです。
以来、タゴールの心とともに100年後に何を残すかが、人生のテーマとなりました。
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