オルタナはこのほど、別冊「72組織 わがパーパス」を発行しました。省庁・自治体・株式会社・非営利組織(大学や病院を含む)など72組織のトップに、パーパス(存在意義)を執筆していただきました。その一部をご紹介します。

山口 久臣・地球市民の会理事長

国境を超えて「幸せの種の宅配便」届ける

「日本人はバナナか」。地球市民の会の国際協力事業の原点は、創設者である古賀武夫(2008年に逝去)が、タイ人のソーシャルワーカーであったジャナロン・メキンタラクラ(故人)と出逢った際に掛けられたこの言葉にあります。

「あなたたち日本人は、同じアジア人であるにも関わらず、アジアの方は向かずに欧米の方ばかり見ている」と。黄色い外見(黄色)でありながら、欧米人のような心を持っている(白色)という1986年当時の日本人の状況を、バナナに例えた言葉でした。

この言葉にショックを受けた古賀は、すぐさまタイの東北部を訪問。農家の年収は当時、日本円で約3万円程度。竹で作られた高床式の粗末な家に住み、お金がなくて学校に通えない子どもたち。物や金が圧倒的に不足した状況――。

そんな「極貧」の状況にありながらも、子どもたちの屈託のない笑顔や心の豊かさに接し、自らに何ができるかを自らに問いかけ、教育支援に取り組んできました。「真の豊かさとは何か」という命題を考え続けてきた36年間でした。

地球市民の会は1983年、佐賀県で産声をあげました。古賀を中心に、国籍を問わず世界中の人が集まる事業「小さな地球計画」を始めました。

「国境も宗教も言語をも超えて、人と人が、互いに顔を合わせ、多くの対話と理解の元、心と心をつなげていく。他人が喜べば自分もうれしい。他人が感動すれば自分も泣ける。他人が幸せだと感じることは自分も幸せだと感じる」

こんな古賀の思いが、地球市民運動に込められています。私たちは、地球市民を「世界中すべての者の幸せを自分の幸せと感じられる人」と定義しています。地球市民の会の事業を通じて幸せになった人が、次なる人に幸せを伝染していく「幸せの種の宅配便」こそが、地球市民の会の存在意義であるのです。

…続きは「alterna別冊 72組織 わがパーパス」をご覧ください。

特定非営利活動法人 地球市民の会



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