公益財団法人みんなの夢をかなえる会は2月22日、みんなの夢アワード6を開いた。同アワードは、夢の実現性を競い合うコンテスト。500人以上がエントリーしたなか、グランプリにはシングルマザー向けのシェアハウス事業をプレゼンした大津たまみさんが輝いた。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

2000人に囲まれながら夢を熱く訴える大津さん=2月22日、舞浜アンフィシアターで

2000人に囲まれながら夢を熱く訴えた大津さん=2月22日、舞浜アンフィシアターで

グランプリに輝いた大津さんは、「シングルマザーに特化したシェアハウスを日本全国につくりたい」と夢を語った。空き家をシェアハウスとして利用し、シングルマザー向けに貸し出す。すでに子育てを終えた女性も同居させ、仕事で家事まで手に負えない母親を支える仕組みだ。

全国にシングルマザーは100万人以上おり、世帯収入は一般家庭の3分の一以下。シングルマザーの子どもの2人に1人は、月収入14万円以下に該当する「子どもの貧困」状態にある。
大津さんは一人親家庭で育つ子どもは、一人でご飯を食べることが多く、食事中に会話をしないことで唾液の分泌量が少なく、胃を壊しやすいと言う。さらに、話さないことで、子どもの悩みを聞くこともできず、教育にも問題を与えやすい。

大津さんも息子を持つシングルマザーである。大津さんは2006年、家庭訪問型の清掃会社アクションパワーを名古屋で立ち上げたが、仕事に追われ、子どもと一緒にご飯を食べられなかった。「子どもには本当に寂しい思いをさせてしまった」と自身の経験を振り返る。

大津さんは、「みなさんが未来の子どもについて考えてくれたおかげでこの賞を取ることができた。私の夢はみんなの夢になれるのかなと不安だったが、今後この夢を広げていきたい」と喜びを語った。

今回登壇したファイナリストは7人。大津さんのほかには、出所者の社会復帰を訴えた千葉龍一さんや若者の力で和歌山を活性化させる夢を語った小幡和輝さんらがいる。

同アワードには協賛企業が42社ついており、すべての企業の担当者がファイナリストの夢を聞いた。共感した企業はその場で、支援の札をあげる仕組みだ。グランプリに輝いた大津さんには、ワタミから最大2000万円分の出資交渉権などの副賞が与えられた。

みんなの夢アワードは6回目を迎え、これまでの日本武道館から場所を舞浜アンフィシアターに移した。当日の企画や2000人の集客に尽力したのは、全国にいる学生事務局。北海道、東北、関東、関西、九州と5つのエリアに44人いる。約1年かけて、準備してきた。

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