栃木県の中心部、JR宇都宮駅から車で45分の場所に、自然派ラーメン店「花の季」がある。1992年の創業時から「最高の一杯」を求めてラーメンを作ってきたが、現在、その想いは使用する食材作りにも向いている。麺の小麦や付け合わせの野菜、麦茶の大麦まで、店で提供している食材を、自分たちの畑で育てているのだ。
きっかけは約10年前、仕入れたネギが新鮮ではなかったことから始まった。新鮮なネギが使いたくて、当時女将が「私、作ってみようかしら」と50代で地元農家さんから初めて野菜作りを教わった。その後、栃木県立白楊高校農業専攻科に入り本格的に勉強した後、店の近くに畑を借りて自ら作り始めた。
今では小麦を中心に年間数十種類の野菜を栽培するまでになり、店のラーメンに合う野菜を日々研究中だ。例えば麺の小¬麦は何種類か作り、季節やスープとの相性で提供するものを変えている。もちろん、全ての食材をカバーする事は出来ないので、地元から仕入れたり、端境期は他県の物も使用する。あくまで地元との共存共栄を大切にしているという。
花の季農場は現在、地元の子供達にとって学びと遊びの場所にもなっている。年に数回、麦踏や麦刈り体験、味噌仕込みなどのイベントを行っている。
創業当時、あっさり醤油味が主流だった宇都宮で、花の季の”和風トンコツ醤油味”は敬遠されていた。しかし今や休日は県外からもお客がくる程の繁盛店になった。おいしく、新鮮で、安全な食材を作っている点が家族層を中心に支持されているからだろう。「土からテーブルまで」をコンセプトにした「花の季」。新小麦、「小麦ヌーボー」を100%使ったつけ麺が、期間限定で東京でも味わえる。
日本の国民食だけど、あまり健康的なイメージの無いラーメンも新時代到来の予感!(オルタナS特派員 中川真弓)
■花の季http://www.h2.dion.ne.jp/~hananoki/
■大つけ麺博http://dai-tsukemen-haku.com/
開催日程:9/23~10/16、11:00‐22:00
※花の季出店期間:9/26~10/2
会場:浜松町駅前特設会場