森山誉恵さんが代表を務めるNPO法人3keysは、家庭環境に恵まれない子ども達への支援を行う団体だ。設立のきっかけは学生時代のボランティア活動にある。児童養護施設では、子どもの生活を支えることで手一杯、学習の支援までは十分にできない現状があると感じた。大学生だった森山さんは、所属していた学生団体で得たスキルを活かし、ボランティアを集め学習支援を開始。事業継続のため卒業と同時にNPO法人化し、現在まで活動を続けている。(佐藤 理恵)
この4月には、子どものための支援団体検索ポータルサイトも立ち上げた。「誰かに相談したくても信じられる大人が周りにいないケースも。悩んだ彼らがネットでキーワードを打ち込むと、アダルト・出会い系サイトなどがヒットすることも多く、必要な情報にたどり着けない」と森山さんは言う。
ホットペッパーを使うような感覚で、自分に合った相談窓口を見つけられたらという思いから、10代向けの相談サイト「Mex(ミークス)」を立ち上げた。同サイトは漢字が読めなくても内容が分かるように、ふりがなを付けることができる。季節でイラストが変わるような遊び心も織り交ぜ、子どもたちがアクセスしやすいサイト作りを目指している。
支援団体が発信している情報は、直接子ども向けというより、支援する周囲の大人向けである場合が多い。Mexは子どもたちとそうした支援団体をつなぐ橋渡しとして機能し、「全ての子どもたちが社会全体から愛され育つ社会へ」という3keysの理念を体現している。
執筆者:佐藤 理恵
2008年大学卒業後、看護師として病院に就職。失敗ばかりの毎日を過ごし、働けば働くほど心がすれて汚くなっていく自分に気づき、4年で退職。NPOに転職、障害をもった方が対象のヘルパー派遣事業に携わる。素晴らしい仲間に恵まれ心の健康を取り戻し、バリバリ働く。その中で、発信力や人を惹きつける力、お金の動きをみる力、資金を行政のお金以外から集める力もろもろ圧倒的な能力不足に悩んでおり、NPO大学に参加を決める。