――横田さんは2010年8月、丹波にIターンして、2012年には市議会議員になりました。市議会議員として、移住・定住促進に取り組んでいるとのことですが、どのようにして、丹波の魅力を伝えていますか。
横田:高校生になる前に、心ん中に社会人3~10年くらいで弾ける「時限爆弾」を設置させておきたいなと思っています。その爆弾は、25歳~32歳くらいで発動し、丹波に戻りたくなるようになっちゃうっていうものです(笑)
――時限爆弾とは一体何でしょうか。
横田:この時限爆弾をつくるには、親との日々の会話が一番大切だと思ってます。だけど、実はこのコミュニケーションを変えることがすごく難しいんです。親は、「この街に仕事はないから、出ていきな」と子どもに言いながら育ててきてることがぶっちゃけ多い。そんな教えを受けて育ってきてるから、丹波の若者は大学進学を機に、大阪や東京に出ていき、少子高齢化(高齢化率は平成17年度で26.4%)・産業の担い手不足が起きています。
残念なくらいにその作戦が成功してるわけです。でも親の口から、「この街にすんでることって幸せだよ」と頻繁に聞こえるようになれば、子どもの丹波への見方も変わるはずだろうなと。
――「この街から出ていきな」と言っていた親に「この街は幸せ」と言ってもらうようにするためには、どのようにすればよいとお考えでしょうか。
横田:外部からの評価が必要じゃないかなと思って取り組んでます。若者の移住・定住者、そして海外や都市部からの観光・交流人口を増やし、客観的な評価で丹波市を認めてもらう機会を増やすために。そうして、わざわざ丹波を訪れた人からの声を集めて、地域の人に聞いてもらうわけです。外の目線から、この土地の魅力を語ってもらい、地域の人に誇りを持ってもらえるように。