気候変動対策に取り組む企業や自治体、NGOでつくる気候変動イニシアティブ(JCI)は10日、コロナ危機後の経済復興を気候変動対策に資するものとする「グリーンリカバリー」について、小泉進次郎環境相と意見交換を行った。丸井グループやイオン、リコーなどの企業やNGOが参加し、再生可能エネルギーの推進や石炭火力発電政策の見直しなどについて要望。小泉環境相は「再エネ導入に向け地域を後押ししていきたい」などと述べた。(堀 理雄)

コロナ後の復興策として注目されている「グリーンリカバリー」

新型コロナウイルスの世界的なパンデミックからの復興をめぐっては、経済回復に向けた投資を気候変動対策に貢献するものとする「グリーンリカバリー」が注目されている。4月にはEU加盟12カ国の大臣とグローバル企業39社のCEOが「グリーンリカバリー・アライアンス」を発足。世界的に取り組みが広がっている。

10日の意見交換会には、JCIメンバー企業のCEOら7人とNGOなどが参加。再エネ普及に向けたリーダーシップや海外への石炭火力発電輸出の見直し、気候変動対策に資するESG(環境・社会・ガバナンス)投資の推進などを要望した。

地域経済については、東京など人が過密に集まる都市が課題となるなかで、エネルギーや食べ物など、地産地消を通じた経済の地域循環の重要性が指摘された。

末吉竹二郎JCI代表は、「日本が脱炭素化を先導していくためには政府の支援が重要であり、グリーンリカバリーを進める上でその流れを作ってほしい。こうしたオンラインを通じた非政府アクターと政府との対話を『ニューノーマル』として続けていきたい」と述べた。

10日の意見交換会参加者は以下の通り。

環境省
小泉進次郎  環境大臣
佐藤ゆかり  環境副大臣
八木 哲也  環境大臣政務官

JCIメンバー企業(50音順)
青井 浩   丸井グループ株式会社 代表取締役社長 代表執行役員 CEO
大関 洋   ニッセイ アセット マネジメント株式会社 代表取締役社長
川崎 素子  富士フイルムホールディングス株式会社 執行役員
鈴木 悌介  小田原箱根商工会議所 会頭/株式会社鈴廣蒲鉾本店代表取締役副社長
銭谷 美幸  第一生命保険株式会社 経営企画ユニット部長
三宅 香   イオン株式会社 執行役 環境・社会貢献・PR・IR担当
山下 良則  株式会社リコー 代表取締役 社長執行役員・CEO

JCI代表/事務局
末吉竹二郎  JCI代表、国連環境計画・金融イニシアティブ 特別顧問
大野 輝之  自然エネルギー財団 常務理事
森澤 充世  CDPジャパン ディレクター
山岸 尚之  WWFジャパン 自然保護室 気候変動・エネルギーグループ長