長崎県壱岐島は全国でも有数のアコヤパールの産地です。Kikiricoはそんな壱岐島でゆがみのあるバロックパールにこだわり、アクセサリーをつくるブランドです。ゆがみや色のムラなどをポジティブにとらえて、バロックだからこそ輝けるデザインで発信しています。デザイナーのiiiimiiii(イミ)さんにブランドコンセプトについて寄稿してもらいました。
視点を変えて気付いた島の魅力
壱岐島に住んでいた学生時代は、小さな島に無いものばかりに目がいっては、つまらなさを感じていた日々でした。それから随分と時がたち、島外で育った夫に、島を案内するにあたり、自分なりに壱岐島について調べ始めました。
夫の視点で見ていくと、壱岐島の日常にこそ、本来の魅力がつまっていた事に気付かされました。島を小さくしていたのは、自分自身だったんだと痛感し、知らなかった島の壮大さにふれる事ができました。
肌で感じる危機感
一方で、海女さんや、貝殻を拾われているご夫妻から、海藻が焼けてしまっている事、貝の種類が変わってきた事など、海の変化についての生の声も耳にしました。
子どもの頃見かけたような大きさのアワビも、今では珍しいものとなっており、私自身、この海の変化に衝撃を受けたのも事実です。
自然の儚さや、人の温かさを感じ取ってもらえるようなブランドをつくりたい。一貫して関わってきたデザインという分野で、ブランディングやストーリーテリングを通して小さな島から大きな社会に向けて発信したいという思いが芽生えました。
日常の中のセレンディピティの価値
壱岐島は全国で有数のアコヤパールの産地であり、kikiricoでは、ゆがみのあるバロックパールにこだわって使用しています。ゆがみや色ムラをポジティブにとらえ、バロックだからこそ輝けるデザインで発信しています。
また、島の飲食店から出たアワビの殻や、新しい試みとしては、島の障がい者支援センターの方々に協力して頂き、廃棄予定の牡蠣貝を、釉薬として使用した陶器のシリーズにも挑戦しています。
そして海洋汚染への直接的なアプローチも行って行きたい思いから、この商品売上の一部を、海洋ゴミ問題に取り組まれている一般社団法人JEAN様へ寄付させていただいています。この活動を続ける事が、より多くの人が海洋汚染への関心を持つきっかけになればと考えています。
コロナ禍の中、ネットの重要性を痛感した中で、同時に自然との繋がりや、ローカリゼーションといった所への関心や欲求は高まっていったはずです。海洋汚染へのアプローチと共に、離島と都会を繋ぐというコンセプトであるkikiricoを通し、島のエンパワーメントに貢献できるような存在のブランドになれるよう、デザインという分野から発信し続けたいと思います。
【ポップアップを展開中:九州深発見】
期間:9月30日〜10月6日
時間:10時〜20時
場所:博多大丸本館B1婦人洋品売り場
Instagram
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