学生起業家の佐々翔太郎さん(中央大学4年)は、ミャンマーでSNSや動画を活用し、若者へのモチベーション教育を行う。サービスをリリース後5カ月でFacebookでは2.5万いいね!を獲得するなど、話題を集める。佐々さんが立ち上げたLive the Dreamでは、事業の運営費としてクラウドファンディングに挑戦している。(聞き手=Readyfor支局・奥山 滉太)

※佐々翔太郎さんは、クラウドファンディングサービス・Readyforによる国際協力活動応援プログラム「Readyfor VOYAGE」でクラウドファンディングに挑戦中です!ご支援の受付は、2018年5月28日23時まで。(https://readyfor.jp/projects/myanmar-career-media)

学生起業家の佐々翔太郎さん

――佐々さんにとって国際協力を始めたきっかけは何だったのでしょうか。

大学1年生の時に語学留学の傍、週末はNGOでボランティアをしていました。思い返すと当時は大学受験に現役・浪人含めて2度失敗し、下を向いて大学生活を送っていた気がします。

そんな時訪れたのがフィリピンでした。ボランティアで助けてあげるはずの僕が、お金がなくても元気に笑顔で走り回る子ども達から逆に元気をもらい、大学受験に落ちたくらいで下を向いている自分が情けなくなりました。もっと前を向いて、人生明るく楽しく生きていこうって。それからの大学生活はかなり変わりましたね。フィリピンに行く前はバイト先であまりにも笑顔が少なくて鉄仮面と呼ばれていたのですが、フィリピン帰国後、そんなあだ名は消えていきました。

そんな人生において大切なことを教えてくれたフィリピンの子ども達に、「じゃあ今度、僕は何ができるだろう」と考え始めたのがきっかけですかね。

――そんなフィリピンの子ども達との出会いから、今の活動に至るまでどのようなことをしてきたのでしょうか。

アジアの色んな国に行って、カンボジアでボランティアしたり、スラムへ行ったりして、何ができるんだろうって考えていたんですけど、ボランティアには限界があると感じました。もっと大きなインパクトを与えたいって思って、その時、漠然とソーシャルビジネスという観点に関心を持ち始めました。

いろいろと学ぶ中で、マイクロファイナンスという貧困層に小規模の金融サービスを提供する仕組みに興味を持ち始めました。その後、授業の一環でミャンマーのマイクロファイナンスを調べに行きました。

色んな人に話を聞いている過程で、その業界関連の方から、うちに来ないかというお誘いを受け、そこでは貧困地域に行きヒアリング調査などしてきました。それらが大学2年生までです。

3年生になってからはe-Educationという団体に出合い、ミャンマーにインターンしに行くことになりました。そのインターンでは映像授業を公立学校に導入し、また、現地団体が組織としてよりよく機能するようにコミュニケーションツールを導入して、学習環境を整えるといったことをやっていました。

――それらの活動から、Live The Dreamの立ち上げに至ったんですね。

はい。学習環境を整えるといっても4時間しか勉強しないのに、「この先生駄目だ」といったことを言う生徒がいて、学習環境というよりも、モチベーションの高い子と低い子の格差が半端ではないって感じました。

何とかして、縮められるような方法がないかと考えた時に、ヒントになったのは、僕が何にもやる気が出ていなかった時、モチベーションを上げるきっかけとなったサッカーの長友佑都選手のドキュメンタリー動画でした。

ミャンマーでは、山奥でもかなりスマホが普及していたため、インターネットと動画を利用して、モチベーションを高めるサービスを作ろうと考え、Live The Dreamを立ち上げました。

現地の学生のモチベーションを上げる動画を製作

――Live The Dreamは今どのような活動をしているのですか。

1つ目はモチベーションを上げるきっかけとなるようなビデオをつくっています。ミャンマーで同じような境遇からかっこよく働いている大人、一皮剥けたストーリーを持つ大人を取材して、彼らの人生や若者へのメッセージをインタビューさせていただき、動画にして届けるロールモデルストーリーです。

トップビジネスマンやミュージシャンなど20名超える人にインタビューしてきました。これまでの配信した動画の最高の再生回数数は6万再生を超えるほどのものになってきています。

2つ目がキャリアインフォメーションといって、ロールモデルストーリーでどんな将来像があるかを知った後に、その職業がどんなものかを紹介するコンテンツです。

将来像を描くことで、今やるべき勉強が大きな手段になり、仕事ってそもそもなんだろうということを考える機会にもなります。次への階段、夢への準備を手伝うようなものになっています。

――立ち上げて間もない中、そこまで視聴されていてそれだけでもすごいことですし、きっと嬉しいことかと思いますが、これまで活動してきて、1番嬉しかったことは何でしょうか。

一番が決められないので2ついいですか?(笑)1つ目が、自分たちが0から生み出した動画、取材させてもらった人のストーリーを地方で上映会をした時、その動画で泣いてくれた子がいたんです。

人から涙をもらうってそんなできることではないし、それを異国で0から生み出せたことは本当に嬉しかったです。たった1人の涙かもしれないけど、世界を変える1歩になるのかなって実感しました。

2つ目は仲間の言葉です。ミンという普段は寡黙な仲間がいるのですが、今回僕が日本に帰るとき、「何で佐々、おれがついて行ったか分かるか?」って言われました。

彼は、「一回おれは辞めたけど、佐々は1人になったとしても、絶対諦めないでやっていた。地方這いずり回ってやっていた日本人をみたことないし、大体ミャンマー人って日本人ってだけでついて行くけど、お前が日本人だからではなくて佐々翔太郎だからついていったんだ」って言ってくれて。

普段そんなこと言わないので本当に嬉しかったです。こんなに遠く離れたところで、心許して信頼し合える仲間が出来たんだなって思いました。

信頼できる仲間と事業を運営する

――佐々さんが想いが現地の若者たちに響いている証ですね。これからLive the Dreamでは展開していきたいことはありますか。

日本ではよく見る求人サイトのような若者が就きたい仕事をもっと簡単に見つけられるサービスを作りたいと思っています。

それと若者向けのメディアっていう側面もあります。現在のミャンマーのメディアは1局が3個くらいのチャンネル持っているような実質独占状態です。

ミャンマーでは対応言語の関係もあり、GoogleよりFacebookのようなSNSが主流になっています。TVだけではなく、若者が情報を取得できるもうひとつのメディアになっていきたいと思っています。

今の日本もネットTVなどかなりメジャーになってきていますが、ミャンマーも同じ流れは今後くると思っています。だからこそスマホで、個人が情報を取りにいけるミャンマー1のメディアにしていきたいです。

――佐々さんにとっての国際協力とは。

人々との絆が人との助け合いに繋がっていくことが国際協力だと思っています。

とはいえ、国際協力って意識してやるものじゃないと思っていて、今やっていることも国際協力に繋がっているとは思いますが、今の1番の目標はLive the Dreamをミャンマー1の会社にすることです。

Live the Dreamを大きくすることが結果的に協力することになり、ミャンマーを変えていく。これから先、さっきお話ししたミンを中心にミャンマー人がこの事業を主体的に大きくすることで、いずれLive the Dreamって誰が創ったのっていう話になったときに日本人なの?となって、ミャンマーと日本の間で絆が生まれていったらと思います。

――最後に、クラウドファンディングにかける意気込みを!

僕たちは間違ったことを絶対してないし、社会に必要とされているという自負はあります。ユーザー数としても短期間で多くの関心を得て、社会に受け入れられています。

ただ、立ち上げ期運営していく資金繰りがまだ確立し切れていない事実はあります。だからこそ絶対に成功させたいし、皆さんにご支援・応援いただいた想いをしっかり成果として返していきたいと思っています。

このクラウドファンディング を通じて、Live the Dreamを通じて、ミャンマーを応援するような流れが、この繋がりからできたら最高だと思います。

彼が挑戦しているクラウドファンディング のプロジェクトは、5月28日23:00まで。応援どうぞよろしくお願いいたします。


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