「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに10年間、草の根活動をしてきた原田謙介さん(32)が今夏に開かれる参議院選挙岡山選挙区から立憲民主党公認候補として出馬する。「新しい時代に新しい政治を」がキーメッセージだ。学生団体、NPOを経て32歳で国政へ挑む覚悟とは。(聞き手・オルタナS編集長=池田 真隆)

街頭演説を行う原田謙介さん

――出馬を決めた経緯について教えてください。

原田:大学3年時に20代の投票率向上を目指して学生団体ivoteを立ち上げ、卒業後はNPO法人YouthCreateを設立して、「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動してきました。

現場での活動を10年間続けてきて、本当にこのままで将来や次の世代により良い社会をつくれるのか疑問に思ったのです。

――それはいつ頃でしょうか?何かきっかけはありましたか?

原田:去年そう思ったのですが、大きかったのは世界経済フォーラムが主催するグローバルシェイパーズの一員に選ばれて、スイスに行ったことですね。

世界中の参加者と触れ合うことで、マインドチェンジが起きました。と同時に、他の国から見たときに日本のプレゼンス力が明らかに低下していることに気付きました。この危機を感じたからこそ、一歩踏み込んだ活動をしようと思えました。

もともと立憲民主党から出馬の打診は受けていたので、このタイミングで出馬を決意しました。

――政治へ距離を感じている若者は多いです。どのようにして若者を巻き込みたいと考えていますか。

原田:若者へ政治に関心を持つようなきっかけを与えようと、講演会や議員との飲み会イベント、立候補者とSNSでの質疑応答キャンペーンなどを企画してきましたが、そもそも今の政治には、政治に興味を持った若者を受け入れる受け皿がないことに気付きました。

政治を学びたいと思った若者が少し勉強を始めて、政策の内容を見てみると、そこには、介護や医療、年金などばかりが手厚く、若者の雇用や子育てへの関心は少ないことが分かります。もちろん、10年前に比べると子育て支援の予算は増えてきていますが、実態は将来世代への借金を増やしているだけです。

自分たちの意志が反映されるプロセスも不透明なので、拒否反応すら起こしてしまう人もいました。「いくら叫んでも自分たちの声は届かない」と諦めてしまうのです。

だからこそ、若い人にとって「声を聞いてくれる存在」でいたいですね。今、社会に関心を持つ若者は増えていて、そんな彼ら彼女らと一緒になって、様々な世代の人と手を取り、社会をつくっていきたい。

多様な世代と触れ合い、政治に興味を持つ若者の「受け皿」をつくる

――「新しい時代に新しい政治を」がキーメッセージです。新しい政治とはどのようなものでしょうか。

原田:テクノロジーの発展で社会の多様化はものすごいスピードで進んでいます。中央でコントロールすることは不可能です。多様性が各地域に溢れる時代なので、政治の決定を待っていては、返って地域の足を引っ張ることになってしまう。

だから、政治は引っ張るのではなく、支える側になって、団体や個人の力を伸ばしていきたい。

出馬を決めたからには、もうこれまでの活動には戻れない。そう振り切って出馬を決めました。

原田 謙介(はらだ けんすけ)
1986年5月10日 岡山県津山市生まれ。 倉敷市立万寿東小学校卒 愛媛県愛光中学・高校卒 東京大学法学部卒
大学3年時に、20代の投票率向上を目指し「学生団体ivote」を設立。卒業後の2012年4月インターネット選挙運動解禁を目指し「OneVoiceCampaign」を立ち上げる。2012年11月NPO法人YouthCreateを設立。「若者と政治をつなぐ」をコンセプトに活動。地方議員と若者の交流会「VotersCafe」の全国展開。中学高校での主権者教育授業の実施。行政・企業とのコラボ企画。WASAO企画(若者の参画する街岡山)などを実施などを行う。世界経済フォーラム、グローバルシェイパー東京HUB


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