関西学院大学とアウトドアメーカーのスノーピークは17日、包括連携協定を結び、同大学の神戸三田キャンパス内にキャンプのテントや焚火などを設けることを発表した。自然の要素をキャンパス内に取り入れることで、学生たちの自由な発想を促すことを狙う。キャンプ体験がもたらす効果に関する共同研究も行う。(オルタナS編集長=池田 真隆)

キャンパス内に焚火があれば、こんなシーンも

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” open=”no” style=”default” icon=”plus” anchor=”” class=””]関学の神戸三田キャンパスでは、キャンパスコンセプトに「Be a Borderless Innovator(境界を越える革新者)」を掲げ、学内外や国内外を越えた交流を活発化することを計画している。今回の協定はその一環で、自然指向のライフスタイルを提案するスノーピーク社と組んだ。

スノーピークは1958年に新潟県三条市で創業したアウトドアメーカーだ。他のアウトドアブランドと一線を画すのは、その売り方にある。一言で言うと、「体験価値」の提供に重きを置く。

法人向けの事業として、オフィスに自然要素を取り入れる「キャンピングオフィス」という展開を皮切りに、2017年には慈恵学園札幌新陽高校と提携し、キャンプを取り入れた授業をプロデュースした。

今回の関西学院大学との連携も「体験価値」の提供である。約6000人が通う神戸三田キャンパス内に、テントや焚火を設置して、「キャンピングキャンパス」に作り変える。

教室ではなく、テントの中で授業も可能だ

体験価値を重視する理由について、同社のメディアプロモーション課の木下習子氏は、「モノを売るだけでなく、お客様の笑顔をつくることを中長期的な戦略として定めているから」と話す。この方向性は外出自粛が要請されたコロナ禍でもぶれることはないと言う。

こう言い切る背景には、同社が掲げる「人間性の回復」という社会的使命がある。このミッションが根付いていることで、事業そのものが社会課題を起点としており、経済性と社会性の両軸を追求した経営を可能にした。

新型コロナの影響で、教育もニューノーマルに沿った形へのトランスフォームが求められている。キャンパス内にキャンプの要素を取り入れることで、学生の発想にどのような変化が生まれるのか、学術的な研究も行う。さらに、学生と協働して、マイボトルの開発も予定している。