「原発・化石燃料の使い捨てエネルギーから、再生可能な自然エネルギーへの移行」
フクシマの原発事故以降、世界中の関心を集めている課題だ。いまこの分野で最先端を走るのは、世界に先駆け脱原発を表明したドイツだ。
「100%再生可能な自然エネルギーへのシフトは可能。農業、産業、情報の次はエネルギー革命だ」そう語るのは、映画監督のカール-A.フェヒナー氏。彼が構想から15年かけて完成させた『第4の革命 エネルギーデモクラシー』が来年1月から公開予定だ。
映画の中では、自然エネルギー100%で自給しているデンマークの村やオシャレでかっこいいエコ社屋、油分の多い植物を栽培して石油の代用品として発電するなど、いくつもの取り組みが紹介された。 自然の恵みを享受する新エネルギーは、発展途上国での普及が最も期待されるという。経済活動をするため、石油に頼わざるを得ない構造を変えられるからだ。
一方で、自然エネルギーが普及しない一番の原因は「抵抗勢力」だと訴える。独裁的経営の電力会社が不要になり、化石燃料への依存を辞めるという決断は、産業構造を変え、石油で食いぶちを稼ぐ人が困る。これを恐れ、政治的な圧力がかかるというカラクリが裏に潜む。
ドイツは脱原発の決定に至るまで30年かかった。その始まりは、ほんの小さな市民活動だったという。
転機が訪れたのは、1999年の政権交代。自家発電したエネルギーを固定価格で電力会社が買い取る法律が制定され、国民はこぞってこれを利用した。ドイツでは、利用者が自由に電力会社を選べるので、クリーンエネルギー業者への乗り換えなどが促進された結果、この国家的な英断が実現したのであろう。
単に危険をあおるのではなく、「新エネルギー産業は夢がある、ビジネスになる!」と感じ、大変勇気づけられる内容だった。電力を使わない事も大事だが、どうせ使うなら罪悪感のない方法を選べる時代を作らなければと強く感じた作品だった。
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