初日は脱皮する家/星峠、うぶすなの家/願入、かたくりの宿/結東など
大地の芸術祭の里
初日(その2 曇り時々雨)

遅めの昼を取った後はその名も美しい星峠(その1で写真で紹介した棚田群)近くの作品「脱皮する家」の見学に向かった。

脱皮する家の床、天井の梁は延べ3000人の彫り跡


築150年!の古民家を日大芸術学部彫刻コースの有志が2年かけて再生、かつ彫りまくった正に「脱皮する家」。
ここに2年通った有志諸君の一彫り一彫りのパワーはすごい。
なんでこんなところまでと言う位、家全体に徹底した彫り跡がある。

この写真で床の彫り跡が中心に向かっているし、また天井の梁部分は上の上までとことん彫られているのがお分かりになるだろうか?

梁の一本一本を隅々までご覧ください


こうして煤だらけの柱や床の古民家がアート作品として、また農家民宿として見事に復活を遂げた。

保存ではなく、今に生きる地域の本当の活性化がここにあった。
しかも誰でもここに泊まることが出来る。
泊まることが作品を味わうことって、あまり無い体験では?






新しい命を吹き込んだこの一連の作業を「脱皮する家」ではDVDで見る事が出来る。またこの作品の紹介サイトでは農家民宿の案内などもチェック出来る。




ところで「脱皮する家」を訪ねた時に気になったのが周りの農家さんの佇まい。
家の周りにはたいてい雪落としの池があった。また隣家との境は花の垣根で仕切っている。

ほとんどの家がそのような作りになっている。このあたりでは普通だそうだ。


専用の池とは雪深い土地柄だけに成程と思うが、緩やかな花の垣根を隣家との境目にするって、なんて雅な暮らし方なんだろうと羨ましくなってしまった。

こんな暮らしぶりが現代アートと同居している「軒先にアート」って感じが越後妻有の魅力の一つである事は間違いない。







(次は「うぶすなの家」の紹介と限界集落の現実に触れる予定。これからは掲載のテンポを上げますのでよろしく。写真撮影は全てきっこう伊藤)