ボクの古くからの友人の、信頼すべき音楽関係者O君(仮に「枝豆すいか」君と呼ぶ)に久しぶりに会って渋谷の行きつけの飲み屋で飲んだ。

昔話も盛り上がったが、やはりオルタナS特派員としては「エシカルな音楽ってカテゴリーは無いけれど、肩ひじ張った生き方をちょっぴり緩めてくれる、そんな思いの込められた音楽ならそれをエシカル系って言っても良いかも」なんて話になってしまった。

そしたら、インディーズなんであまり知られていないけど、気持ちをリセットするために必ず聴いてしまうバンドがあるんだけど、それってどう?と彼が言ってくれた。

3rdアルバムさよならカーゴカルト/シングル昼休み


ボクはそんな視点で音楽やバンドをぜひオルタナSで取り上げてみたいと思い、「枝豆スイカ」クンにその「東京ローカル・ホンク」の紹介を速攻頼んでしまった。

彼らは11月16日にCDが発売されるし、レコ発ライブも地元武蔵小山や高円寺、渋谷をはじめ、福岡、広島、京都とツアーがあるそうだから、彼らの音楽に触れた方はその感想をfacebookやtwitterでぜひ聞かせて欲しい。
これからどんどん取り上げてもらおうと思うので。

◆極楽日記~いつ死んでもイイもんね~( ´ ▽ ` )◆ 第一話(枝豆すいか)
『気持ちをリセットする時に聴く音楽って、誰でも持っているのだろうか?』

●東京ローカル・ホンク

いろんなことで気持ちが沈んだりや何かがスッキリしない時、僕が気持ちを
リセットするために必ず聴いてしまう音楽がある。
それは全員四十過ぎのオッサンバンド「東京ローカル・ホンク」だ。それは心の友達でもある。

詞、曲、歌、ギターを担当する木下さんが描く町の風景や匂いは、昭和育ち
の同世代だからなのかピッタリくる。
その言葉の中に描かれている情景には、あんた肩に力が入ってるよ、気を楽にして深呼吸しなさいよ、また明日を精一杯生きていこうよ、という励ましが感じ取れるのだ。

例えば、葬式の里帰りを歌った「ブラック里帰り」では、おんなたちが忙し
くエプロン姿で動き回る傍ら、男たちが情けない顔をしながら酒を酌み交わ
しているお通夜のシーン。

 

そこに現れる隣のメガネ屋のおじさんは、頭が禿げて光ってる。そして自分の母親をチャン付けで呼ぶ。
なんていう、なんてことのない光景。
また、「虫電車」という曲では、会いたくなったひとの街へ向かう電車でゆられているテンポと、止まらずに流れていく日々の生活のリズムがシンクロしていく。


座席を這っている動きののろいカナブンと、ドアが開いて乗ってきた蛾を眺めながら、会いたいひとのことを想う一瞬を歌にしている。
そして、11月16日に発売されるニューアルバムの中に収められた「昼休み」
という曲は、昼休みに座って一服しながら眺める景色、そこからさてもうひ
とがんばりしよう、と立ち上がるまでの経過だけを歌っているのに、その歌
の主人公の中に自分を投影してしまう。


このなんていうことのない日々の暮らし、日常の中にある誰もが知っている
光景の中に本当のことがあるんだよ、と東京ローカル・ホンクは教えてくれ
る。


彼らのシビれるプレイやハーモニーは、そんじょそこらのバンドがどうあがいても到底真似の出来ない職人技のような深みがあり、その歌の世界を何十倍にも広げて僕の脳みそに安らぎを与えてくれる。

■3rdアルバム 『さよならカーゴカルト』11/16発売(ライブスケジュールも載ってます)
*ここにあるロングインタビューを読めばボクの文章など必要ないです。
東京ローカル・ホンクのサイトはこちら