世の中でTPPの是非が問われているが、一次産業の役割をちょっぴりでも感じるには、真似事でも良いので生産者になってみたらどうかな?と思ってボクは昨年小田原市根府川の果樹園で始まった甘夏オーナーズ倶楽部のメンバーになってみた。
NPO法人のBeGood Cafeの果樹園再生プロジェクトや学生対象に果樹園をコミュニティガーデン化するデザイン企画の運営に何年か関わってきた。
ミカン農家の現実を覗いてみると、そこには輸入オレンジやグレープフルーツに押される果樹園、それに比例して後継者不足が耕作放棄に拍車をかける現実があった。
消費者は口にする機会が減って身近な産地の新鮮な味を忘れ、さらに輸入産品にシフトして行く。
そこでは大量のミカン、夏ミカンが成りっ放しで腐っていく。
そんな中、今オーナー制度が盛んだ。
お米や野菜、果樹園などのオーナーになって、自分で育て収穫し、新鮮な味を楽しみ、産品に安心し、地元の農園主や豊かな自然(景色、気候、土、植物)に触れる楽しみが手に入る。
それが農業を支えることになることを知った消費者、都会の生活者が増えているからだ。
ボクはそんなニーズに答えるために「なんちゃって農業」でも良いから多くの人達が気楽に参加出来る機会を提供する側に回りたいと思った。
ボク達だけでは後継者不足の解消や果樹園の再生は簡単には出来ないが、成りっ放しから、採って食べると言う当たり前の生活をちょっとだけ取り戻す仕組みがオーナー制度。
その体験を通して、農業の持つ魅力とその本来的な重要性に気付く普通の生活者達が少しでも増えると良いなあと思っている。
そしてそこからTPPのような二者択一的発想では無い、農業やひいては日本の未来を考える発想が出てくるのでは。
さてオーナー制度を提供する場所は小田原市根府川の甘夏農園。鈴なりの甘夏が春から夏にかけて収穫出来る。
(関連情報)
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